「共有不動産を売りたいけれど、他共有者には会いたくない」と考える人も多いのではないでしょうか。
共有不動産は1つの不動産を複数人で共同所有している状態なので、利害の対立で共有者同士の関係性が悪くなりやすいです。
しかしながら、共有不動産の売却は「共有者全員の同意や立ち会い」が必要なため、基本的に共有者同士で顔を合わせます。
他共有者と会わず、話し合いも一切せずに売却するなら、自分の共有持分のみ売却する方法がおすすめです。共有持分の売却に他共有者の同意は必要ないので、顔を合わせたり事前に連絡する必要がありません。
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- 共有不動産を売るときに他共有者と会うことになる原因。
- 他共有者と直接会わずに共有不動産を売却する3つの方法。
- 自分の持分のみなら他共有者と連絡を取らずに売却できる。
共有不動産の売却は他共有者と会うことになる可能性が高い
1つの不動産を「共有不動産」として複数人で共有することがありますが、必ずしも共有者同士の関係がよいとは限りません。
離婚を機に夫婦で購入した家を売却したいが、気まずいので妻とは会いたくない
母が亡くなったので実家を売りたいが、仲の悪い兄とは会いたくない
このように共有者同士の関係が良好でないとしても、共有不動産を売るときには、他共有者と会わなければならない可能性が高いです。
なぜなら、共有不動産を売却するには、売却前・売却後のタイミングで他共有者と連絡を取る必要があるからです。
どうして他共有者と連絡を取る必要があるのか、それぞれ説明していきます。
共有不動産を売却するには他共有者の同意が必要
まず1つ目のタイミングですが、共有不動産を売却する前に他共有者から同意を得るために会う可能性があります。
例えば、夫婦で一緒にお金を出して家を購入したのに、夫が1人で勝手に売って利益を独占してしまったら、妻はたまったものではありませんよね。
ですので、共有不動産は1人で勝手に売却できないことが法律で決められています。
民法第251条
各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。
引用:e-Govポータル「民法第251条」
つまり、共有不動産を売却するには共有者全員を説得して同意を得なければいけないのです。
共有不動産を売る場合は共有者全員が揃って売却するか、売却に同意してもらうために前もって話し合いをする必要があります。
共有不動産を売却した利益は共有者同士で分け合う
2つ目のタイミングとして、共有不動産を売却した後に利益を分けるために他共有者と会う可能性があります。
共有不動産の売却後は、それぞれの共有者が持っている不動産の権利である「共有持分」の割合に応じて、利益を分け合います。
夫の取分=1,000万円×7/10=700万円
妻の取分=1,000万円×3/10=300万円
しかし「慰謝料の代わりにしたい」「子供の養育費にしたい」などの理由から、自分の持分以上の金額を得ようとする共有者もいるため、不正をしないように直接会って売却した利益を分けることも多いです。
また直接会わなくても、振込先を知らせる必要があるので、共有不動産を売るのであれば、どこかのタイミングで他共有者と必ず連絡を取らなければなりません。
他共有者と会わずに共有不動産を売却できる3つの方法
共有不動産を売却する際には、必要な同意を得るために他共有者と直接会うケースが多いです。
しかし、あくまでも共有者全員の「同意」が必要なだけで、必ずしも「直接会わなければいけない」わけではありません。
つまり、誰かに交渉を任せたり書類上で連絡して他共有者の同意が得られれば、共有不動産を売却できます。
具体的には3つの方法があるので、それぞれ解説していきます。
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1.代理人に頼んで他共有者と一緒に売却してもらう
まず1つ目は自分に代わって代理人が他共有者と一緒に共有不動産を売却する方法です。
正しい手順で代理人に依頼することで、代理人と他共有者だけで売却手続きができるので、自分がいなくても共有不動産の売却ができます。
ただし「代理人に任せる」という自分の意思表示を「代理委任状」に残す必要があります。
代理委任状を作成するには、必要書類を揃えるのに時間がかかることがあるので、前もって準備しましょう。
- 【委任する側の必要書類】
- 印鑑証明書(3か月以内のもの)
- 実印
- 住民票(3か月以内のもの)
-
【代理人になる側の必要書類】
- 印鑑証明書(3か月以内のもの)
- 実印
- 本人確認書類(運転免許証など)
また、代理人が話し合っても、他共有者が反対する場合は共有不動産を売却できません。
2.仲介業者に頼んで他共有者から売却の同意をもらう「持ち回り契約」
2つ目は他共有者からの同意を不動産仲介業者に取ってもらい、共有不動産を売却する方法です。
これを「持ち回り契約」といいます。
「持ち回り契約」では、自分の代わりに不動産仲介業者が共有者全員のもとに足を運んで、契約書へのサインや押印を貰ってきてくれます。
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【持ち回り契約で共有不動産を売却する場合】
1.共有不動産を売却する契約書に自分がサインをする
↓
2.不動産会社が他共有者から契約書にサインを貰ってくる
↓
3.全員からサインを貰うことで共有不動産を売却できる
ただし、前もって共有者全員が売却に同意していないと持ち回り契約をしてくれない業者が多く、この方法も他共有者が反対する場合は共有不動産を売却できません。
3.調停委員を通して共有不動産を分割してから売却する
3つ目は「調停委員を通して共有不動産そのものを分割する」ことで単独名義不動産として売却する方法です。
「共有物分割調停」では、調停委員という第三者を間に入れて、他共有者と顔を合わせずに共有不動産を分割できます。
共有名義の不動産を分割すると、単独名義の不動産になるので、他共有者の同意がなくても自由に売却可能です。
ただし、他共有者が分割に応じない場合は「共有物分割調停」ではなく「共有物分割訴訟」という裁判に発展してしまい、顔を合わせる必要があります。
どうしても他共有者に会いたくないのであれば、弁護士を代理人にして「共有物分割訴訟」を任せることもできるので、専門家に相談するとよいでしょう。
「持分だけの売却」は他共有者と顔を合わせずに売却でき同意も不要
他共有者に会わずに共有不動産そのものを売却することはできますが、いずれの方法も代理人を通して、他共有者と連絡を取らなければなりません。
しかし、実際には他共有者と連絡すら取りたくないほど関係が良好でないケースも多いです。
「旦那の不倫のせいで離婚したのでメールすら送りたくない・・・」
「しつこくお金を無心してくるので借金を抱えている弟とは関わりたくない・・・」
このような場合、自分の共有持分だけを売却する「持分売却」という方法があります。
自分の持分だけであれば、他共有者と一切連絡を取らずに売却可能です。
メリット①共有持分だけなら他共有者の同意がなくても売却できる
共有不動産とは異なり、共有持分のみであれば他共有者の同意がなくても売却できます。
なぜなら、複数人で所有している共有不動産とは異なり、共有持分は個人の所有物という扱いだからです。
この場合、BさんとCさんの同意がなくても、Aさんは持分3/6を自由に売却できます。BさんとCさんについても同様です。
このように自分の持分だけを売るのであれば、他共有者から同意を取る必要はないので、共有持分だけなら他共有者に連絡せずに売却できます。
メリット②専門買取業者に買取依頼すれば他共有者に知られずに売却できる
ただし、ここで注意しなければならないのが、共有持分を売却する方法です。
持分売却であれば、100%他共有者に会わなくて済むわけではありません。
ひと括りに持分売却といっても「仲介業者」と「専門買取業者」という2種類の不動産会社によってそれぞれ方法が異なります。
- 【仲介業者と専門買取業者の違い】
- 仲介業者
- 専門買取業者
売主から依頼された共有持分の買主を探したり、売買を仲介してくれる業者
不動産会社自身が買主となり、お金を出して共有持分を買取してくれる業者
よくある仲介業者では、共有持分を売却することを他共有者に知られてしまう恐れがあるため注意しましょう。
これは「買主を探して売却する」という、仲介業者のシステムのためです。
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【不動産仲介業者に共有持分を売る場合】
1.仲介業者に共有物分の売却を依頼する
↓
2.広告などを出して共有持分の買主を探す
↓
3.見つかった買主に共有持分を売却する
このように仲介業者で持分売却をおこなうと、広告掲載することが通常なので他共有者に知られてトラブルになる可能性があります。
しかし、専門買取業者であれば共有持分を直接買取してくれるので、他共有者に知られる心配はありません。
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【専門買取業者に共有持分を売る場合】
1.専門買取業者に共有物分の買取を依頼する
↓
2.専門買取業者が自身で共有物分を買取する
買取業者で持分売却を行えば、誰にも知られずに売却できる上、買主を探す手間や時間もかかりません。
業者によっては最短48時間でのスピード買取もできるので「はやく共有者と縁を切りたい!」という方にもおすすめです。
メリット③持分売却した後のトラブルも買取業者に一任できる
もう1つ専門買取業者のメリットとして、共有持分に関する責任を全て業者に任せられるという点があります。
仮に共有持分を売却できたとしても、売却後にトラブルにならないか心配が残る方も少なくありませんよね。
専門買取業者に共有持分を売却すると、共有不動産についての権利や責任がすべて業者に移ります。
このように売主は、共有不動産における権利や責任がなくなります。
そのため、持分売却後に共有不動産に関するトラブルが起きたとしても、売主が応じる必要はありません。
売却後のトラブルを買取業者に一任できるので、売主は安心して過ごせます。
他共有者と会わずに不動産全体を売ることは難しいので自己持分のみを売却しよう
この記事では、他共有者と会わずに共有不動産を売却する方法を解説しました。
他共有者と会わずに共有不動産を売却する方法はありますが、裁判所の手続きなどの手間がかかることが多いです。
また直接会うことがないとしても、同意を得なければ売却できないため、他共有者と一切連絡を取らずに共有不動産そのものを売却することは現実的ではありません。
一方、自分の持分だけの売却であれば他共有者の許可を取る必要はないので、他共有者と連絡すら取りたくない場合は自分の持分だけを売却するとよいでしょう。
ただし仲介業者で売却すると、共有持分を売った事が知られてしまい、他共有者とトラブルになる恐れがあります。
どうしても共有者と会いたくない、トラブルを起こしたくないのであれば、誰にも知られずに売却できる「共有持分専門買取業者」に売るのがベストな方法といえます。
共有不動産の売却についてよくある質問
共有者と会わなくても、共有不動産を売却する方法はあります。代理人を立てる方法や、仲介業者に頼んで他共有者とやり取りをしてもらう方法などがあげられます。
はい、共有者の同意がないと、共有不動産の売却はできません。共有不動産の売却には、共有者全員の同意が必要です。ただし、自分の共有持分だけなら、他共有者の同意がなくても売却できます。
共有持分とは、複数人が共有する不動産において「各共有者がどれくらいの所有権をもっているか」を指すものです。「持分1/2」というように、割合で表記します。
共有持分の取り扱いに不慣れな大手不動産会社より、共有持分を専門としている買取業者のほうが高額で買い取ってもらえるでしょう。また、離婚協議などでトラブルになっている場合は、弁護士と連携している専門買取業者に相談するのがおすすめです。→弁護士と連携した買取業者はこちら
共有持分の売買価格は、本来の価値から半額程度になるのが一般的です。ただし、売却相手や物件ごとの条件によっては高額になる場合もあり、すべての状況で共通する相場価格が決まっているわけではありません。