共有不動産は売却・賃貸どちらがおすすめ?判断基準を解説します

共有不動産 売却 賃貸

共有不動産をもっていると「売却するべきか?賃貸物件にするべきか?」で迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。

物件の状況によって、売却と賃貸のどちらにすべきか変わります。また、自分の意志だけでなく、共有者全員の同意が必要になるため、売却と賃貸を巡ってトラブルになるケースも少なくありません。

「共有不動産を必要としているか?」や「どのタイミングで利益が欲しいか?」といった判断基準をもとに自分の考えをまとめ、共有者と話し合いましょう。

なお、売却する場合は「共有持分(自分がもつ所有権の割合)」だけなら、他の共有者から同意を得なくても売却できます。

共有持分売却に関しては「共有持分専門の買取業者」に依頼するのがおすすめです。専門の買取業者なら、共有者とトラブルになっていたり、劣化が激しく普通なら売れないような築古物件などでも、スピーディーに共有持分を買い取ってもらえます。

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この記事のポイント!
  • 共有不動産が必要ない場合・早急にまとまったお金が欲しい場合は、共有不動産の売却する方法がおすすめ。
  • 共有不動産を手放したくない場合・継続的に家賃収入が欲しい場合は、共有不動産を賃貸する方法がおすすめ。
  • 共有不動産の売却 ・賃貸を決める判断基準は「自分にとって共有不動産が必要か?」と「どのタイミングで利益が欲しいか?」の2点。

共有不動産は売却・賃貸どちらがおすすめ?

共有不動産の活用方法に関しては、売却したほうがよいケースもあれば、賃貸物件として貸し出したほうがよいケースもあります。

共有不動産の売却・賃貸がおすすめなケースは、それぞれ以下のとおりです。

おすすめ ケース
売却する 共有不動産が必要ない場合
早急にまとまったお金が欲しい場合
貸し出す 共有不動産を手放したくない場合
継続的に家賃収入が欲しい場合

それぞれのケースを順番に見ていきましょう。

共有不動産を売却するべきケース

まずは、共有不動産を売却して手放したほうがよいケースです。

以下の場合、共有不動産を売却することをおすすめします。

  1. 共有不動産が必要ない
  2. 早急にまとまったお金が欲しい

共有不動産にかかる毎年の固定資産税が勿体ないと感じている場合や、共有不動産を売却することで、一度にまとまった大金が欲しい場合にもおすすめです。

それぞれのケースを1つずつ見ていきましょう。

1.共有不動産が必要ない場合

共有不動産が必要ない場合、売却することをおすすめします。

共有不動産を所有していると、以下のように感じる人も多いのではないでしょうか。

  • 「毎年の固定資産税が勿体ない・・・」
  • 「共有者同士のトラブルが面倒臭い・・・」

共有不動産を賃貸物件にする場合、貸し出している間も税金をはじめとする費用を貸主が負担して、不動産を維持・管理しなければなりません。

一方で、共有不動産を売却すれば所有権を手放せるので、以降は税金の負担や共有者同士のトラブルをはじめ、さまざまな負担のない生活を送れます。

2.早急にまとまったお金が欲しい場合

早急にまとまったお金が欲しい場合、共有不動産の売却をおすすめします。

共有不動産を賃貸物件にする場合、継続的な家賃収入が入ってくる一方、数万円〜数十万円程度の利益を共有者全員で分け合うので、少ない利益しか得られません。

一方で、共有不動産を売却すれば、数百万円以上もの利益が得られるため、賃貸物件にする場合と比較すると、たった一度の手間で高額な利益が得られます。

共有不動産を賃貸するべきケース

続いて、共有不動産を賃貸物件として貸し出すほうがよいケースです。

以下の場合、共有不動産を貸し出すことをおすすめします。

  1. 共有不動産を手放したくない
  2. 継続的に家賃収入が欲しい

将来的に利用する予定があるなど、共有不動産を手放したくない場合や、老後に備えて継続的な家賃収入が欲しい場合は、共有不動産を賃貸物件にする方法がおすすめです。

それぞれのケースを1つずつ見ていきましょう。

1.共有不動産を手放したくない場合

共有不動産を手放したくない場合、貸し出すことをおすすめします。

次のような理由から、共有不動産を手放したくないと考える人も少なくありません。

  • 「生まれ育った実家なので思い入れがある」
  • 「将来的に共有不動産を使うかもしれない」

共有不動産を売却する場合、売主から買主に所有権が移る以上、以降は共有不動産を一切利用できません。

一方、賃貸物件として貸し出す場合、共有不動産の所有権は貸主側に残るので、将来的に共有不動産を返してもらい、自分で利用したり売却することが可能です。

2.継続的に家賃収入が欲しい場合

継続的な家賃収入が欲しい場合、共有不動産を貸し出すことをおすすめします。

共有不動産を売却する場合、一度にまとまった大金が得られますが、以降は利益が一切入ってきません。

一方で、共有不動産を賃貸物件にすれば、小額ずつ家賃収入が毎月得られるため、長期間に渡って安定した収入が確保できます。

共有不動産の売却 ・賃貸を決める判断基準

「共有不動産を売却するか?賃貸にするか?」で迷った場合は、以下の判断基準をもとに決めることをおすすめします。

  1. 共有不動産を必要としているか?
  2. どのタイミングで利益が欲しいか?

共有不動産の活用方法を考える上では、自分や他共有者の意見はもちろん、利益が得られるタイミングも重要です。

それぞれの判断基準を見ていきましょう。

1.自分にとって共有不動産が必要か?

1つ目の判断基準は「自分にとって共有不動産を必要であるか?」です。

共有不動産を売却・賃貸するには、いずれの場合も他共有者の同意が必要になります。

活用方法 必要な同意
売却 共有者全員の同意
賃貸 過半数の同意
(持分割合で判断)

ですので、自分や他共有者の意見を聞いた上で、以下を目安に判断するとよいでしょう。

必要 必要ない
自分 賃貸 売却
他共有者 売却
(共有持分のみ)
売却
(共有不動産ごと)

自分にとって必要ない場合、他共有者の意見に関係なく、共有不動産または共有持分を売却することをおすすめします。

他共有者も共有不動産を必要としていなければ、共有不動産そのものを全体売却できますし、他共有者が共有不動産を手放す気がなくても、自分の共有持分のみを売却可能です。

参照:「民法第251〜252条」(e-govポータル)

2.どのタイミングで利益が欲しいか?

2つ目の判断基準は「どのタイミングで共有不動産による利益が欲しいか?」です。

利益を得たいタイミングに応じて、以下のように活用方法を決めるとよいでしょう。

早く欲しい 共有不動産を売却する
長期的に欲しい 共有不動産を貸し出す

すぐにまとまった金額が欲しい場合は共有不動産を売却する方法、小額ずつでも長期的に利益が欲しい場合は共有不動産を賃貸物件として貸し出す方法がおすすめです。

ただし、共有不動産は時間が経つほど資産価値が低下していき、得られる売却益も少なくなってしまうため、売却を検討している場合は早めに手放してしまいましょう。

共有不動産を売却するメリット・デメリット

共有不動産を売却する場合、メリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット 他共有者との共有関係を解消できる
共有持分だけなら自由に売却できる
デメリット 全体売却には共有者全員の同意が必要

共有不動産の全体売却には共有者全員の同意が必要ですが、共有持分は自由に売却できる上、他共有者との共有関係も解消できるため、デメリットよりメリットが多いです。

メリット・デメリットをそれぞれ解説します。

【メリット】他共有者との共有関係を解消できる

共有不動産を売却するメリットは、他共有者との共有関係を解消できることです。

共有不動産を売却すれば、共有者全員が所有権を手放すことになるので、自動的に共有関係が解消されます。

また、共有持分のみを売却する場合も、自分は所有権を手放せるので、他共有者との共有関係から抜け出すことが可能です。

【メリット】共有持分だけなら自由に売却できる

共有持分だけであれば、自由に売却できる点もメリットです。

共有不動産そのものを売却する場合、共有者全員の同意が必要になるため、自分が売却に積極的でも、他共有者に反対されると共有不動産を売却できません。

なぜなら、共有不動産は共有者全員の共有物なので、一部の共有者が勝手に売却して他共有者が不利益を被らないように、売却に共有者全員の同意を必要としているのです。

一方で、共有不動産の断片的な所有権である共有持分は、あくまで各共有者が所有する占有物なので、自分の持分だけであれば他共有者の同意がなくても自由に売却できます。

【デメリット】全体売却には共有者全員の同意が必要

共有不動産を全体売却する場合、共有者全員の同意が必要になる点がデメリットです。

自分の共有持分は自由に売却できますが、共有不動産そのものを売却するには、共有者全員の同意が必要になります。

もしも共有不動産を売却したいのに、他共有者に売却を反対されてしまった場合は、自分の共有持分のみを売却することをおすすめします。

共有不動産を全体売却すれば、売却価格は共有持分よりも高額になりますが、共有者同士で利益を分配するため、得られる利益にそこまで差はありません。

共有不動産を賃貸するメリット・デメリット

共有不動産を賃貸する場合、メリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット 継続的な家賃収入が得られる
デメリット 一方的に賃貸契約を解除できない
共有者同士でトラブルになりやすい

継続的な家賃収入が得られる点しかメリットがなく、思うように賃貸契約を解除できなかったり、共有者間でトラブルが起きやすいといったデメリットのほうが多いです。

メリット・デメリットを順番に解説します。

【メリット】継続的な家賃収入が得られる

共有不動産を賃貸物件にするメリットは、継続的な家賃収入が得られることです。

とくに一戸建ての賃貸物件は、入居者が長く借りてくれる傾向にあるため、長期間に及ぶ安定収入が期待できます。

共有不動産を売却する場合、利益を得られるのは1度きりですが、賃貸物件にすれば数年後〜数十年後も利益を生み出して、生活を支えてくれる可能性が高いです。

【デメリット】一方的に賃貸契約を解除できない

共有不動産を貸し出すデメリットは、一方的に賃貸契約を解除できないことです。

賃貸物件に入居者がいる際は、貸主の家が無くなったといった特殊な事情がない限り、一方的に賃貸契約は解除できません。

加えて、共有不動産の場合、賃貸契約を解除するにも持分割合における過半数の同意が必要になるため、通常の不動産に比べて賃貸契約を解除しにくいです。

参照:「借地借家法第28条」(e-govポータル)

【デメリット】共有者同士でトラブルになりやすい

共有者同士でトラブルになりやすい点も、共有不動産を貸し出すデメリットです。

共有不動産を賃貸物件にリフォームする工事には、共有者全員の同意が必要になります。

加えて「誰がいくら家賃や礼金を受け取るか?」や「リフォーム工事はどこに依頼するか?」といった細かい部分まで、共有者全員の意見を一致させなければなりません。

共有者全員の意見を揃えることは難しいため、話し合いのなかでトラブルが発生しやすく、共有者同士の裁判にまで発展してしまうケースも珍しくありません。

もし共有者同士でトラブルが発生した場合、弁護士などの専門家に相談して、裁判へ発展する前にトラブルを解決することをおすすめします。

どうすれば共有不動産を売却・賃貸できる?

「共有不動産を売却したり、賃貸物件として貸し出そうと考えているが、具体的な方法がわからない」という人も多いでしょう。

共有不動産を売却する場合も貸し出す場合も、それぞれの方法や手順、かかる費用などがある程度は決まっているのでご安心ください。

この項目では、共有不動産を売却・賃貸する方法を簡単に解説します。

共有不動産を売却する手順

共有不動産を売却する場合、手順は以下のとおりです。

  1. 売却相場を調べる
  2. 共有者全員の同意を得る
  3. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
  4. 買主と売買契約を結ぶ
  5. 買主に不動産を引き渡す
  6. 確定申告をする

ちなみに共有持分のみを売却する場合、他共有者の同意を得る必要はなく、買取業者を利用するのであれば、売却活動をおこなって買主を探す必要もありません。

ですので、手間なく共有不動産を売却したい場合、自分のもつ共有持分のみを専門買取業者に買取してもらう方法をおすすめします。

共有不動産を売却する場合の費用

共有不動産を売却する場合、以下の費用が必要になります。

  • 印紙税
  • 登記費用
  • 譲渡所得税
  • 仲介手数料
    (仲介業者の場合)

印紙税・登記費用・譲渡所得税といった税金は、所有権の移転などにかかる費用で、これらの負担を避けることできません。

一方、仲介手数料は仲介業者を利用しない限り発生しないため、費用を抑えたい人は仲介業者ではなく買取業者に共有不動産を売却するとよいでしょう。

共有不動産を貸し出す手順

共有不動産を賃貸物件として貸し出す場合、手順は以下のとおりです。

  1. 家賃相場を調べる
  2. 持分割合における過半数の同意を得る
  3. 不動産管理会社と契約する
    (管理委託する場合)
  4. 入居者を募集する
  5. 借主と賃貸契約を結ぶ

共有不動産を貸し出す場合、必ず持分割合における過半数の同意を得る必要があるため、他共有者の説得が困難なケースも少なくありません。

もし他共有者の説得が難しい場合、他共有者の共有持分を自分が買い取る選択肢を提案したり、不動産会社や弁護士を通して交渉することをおすすめします。

共有不動産を貸し出す場合の費用

共有不動産を賃貸物件として貸し出す場合、3種類の費用が必要です。

  • リフォーム費用
  • 仲介手数料
  • 広告費

基本的に入居者募集は不動産会社に依頼することになるので、入居者を探すための広告費や、入居者が決まった際に報酬として仲介手数料を支払う必要があります。

また、一戸建ての共有不動産をアパートのような賃貸物件にする場合、リフォーム費用もかかるため「誰がどの費用をいくら負担するのか?」を共有者間で決めておきましょう。

共有不動産の売却・賃貸で共有者と揉めたら「持分売却」も検討しよう

共有不動産は、売却も賃貸も他の共有者に同意を得る必要があります。共有者の間で意見が割れてしまうと、売却も賃貸もできません。

しかし、共有不動産全体ではなく、自分の共有持分だけなら他の共有者から同意をもらわなくても売却可能です。

共有持分を売却すれば、自分だけ共有名義から抜け出すことができるので、管理や処分の煩わしさから解放されます。

売却も賃貸もせず共有不動産をもち続けていると、維持費や税金の分だけ赤字になります。共有者とトラブルになっているなら、ぜひ共有持分の売却を検討しましょう。

持分売却は専門の買取業者がおすすめ

共有持分の売却で問題となるのは「需要の低さ」です。共有持分だけを買うのは一部の投資家や不動産業者だけなので、普通に売り出しても売れにくいのが実情です。

しかし、共有持分を専門とする買取業者に依頼すれば、どんな共有持分でもスピーディーに買い取ってもらえます。

買取業者は共有持分を自社で直接買い取るため、早ければ2日程度で現金化が可能です。また、専門とすることで投資家などと強力なネットワークを築き、買取後の収益化がスムーズに進むため高額買取ができます。

共有持分を売却したいときは、スピーディーかつ高額で売却できる「共有持分専門の買取業者」に相談しましょう。

共有関係を解消できるので基本的には売却がおすすめ

「共有不動産を売却するか?賃貸物件にするか?」で迷った場合、基本的にメリットの多い方法である、共有不動産の売却をおすすめします。

「共有不動産を売りたいけれど、他共有者が反対している」といった場合も、自分が所有する共有持分であれば、他共有者の同意なく自由に売却できるのでご安心ください。

共有持分の専門買取業者による無料査定を利用すれば、簡単な物件情報などを入力するだけで「あなたの共有持分がいくらで売れるか?」を調べてもらえます。

「売却するべきか?賃貸物件にするべきか?」に関しても、専門家視点のアドバイスがもらえるので、共有不動産の売却・賃貸で迷ったら、まずは不動産会社に相談しましょう。

共有不動産の売却・賃貸で迷った際のよくある質問

どのような場合、共有不動産を売却したほうがよいですか?

共有不動産が必要ない場合・早急にまとまったお金が欲しい場合は、共有不動産を売却することをおすすめします。

どのような場合、共有不動産を賃貸したほうがよいですか?

共有不動産を手放したくない場合・継続的に家賃収入が欲しい場合は、共有不動産を賃貸物件として貸し出すことをおすすめします。

共有不動産の売却 ・賃貸を決める判断基準は何ですか?

「自分が共有不動産を必要としているか?」「どのタイミングで利益が欲しいか?」といった、2つの判断基準をもとに決めるとよいでしょう。

共有不動産を売却するメリット・デメリットは何ですか?

「他共有者との共有関係を解消できる」「共有持分だけなら自由に売却できる」といった2つのメリットがあります。一方で「全体売却には共有者全員の同意が必要」というデメリットもあります。

共有不動産を賃貸するメリット・デメリットは何ですか?

「継続的な家賃収入が得られる」点がメリットです。しかし「一方的に賃貸契約を解除できない」「共有者同士でトラブルになりやすい」といった2種類のデメリットも存在します。

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