少子高齢化の昨今、兄弟姉妹で同居する人たちも増えています。
兄弟姉妹で同居すると、生活費や家事を分担できるメリットがあります。また、1人で暮らすより大勢で暮らしたほうが安心できるという人も多いでしょう。
一方で、兄弟姉妹であっても「同居はNG」と考える人もいます。「相手に気を使うのが嫌」という考えもあれば、同居による家の権利トラブルを避けたいという人もいます。
そこで、当サイトでは兄弟姉妹がいる人300人を対象に「兄弟姉妹の同居」についてアンケートを取りました。
この記事では「兄弟姉妹での同居がアリかナシか」や、同居する際に決めておきたいルールなどの調査結果を紹介します。
兄弟姉妹で同居する際、どういったことに気をつければよいか参考にしてみましょう。
兄弟姉妹で将来同じ家に住むのはアリ?ナシ?
どれくらいの人が「兄弟姉妹と住んでもよい」と考えているのでしょうか?
「兄弟姉妹で将来同じ家に住むのはアリかナシか」という質問に対して「アリ」と答えた人は、全体の4割にのぼります。半数近くが、兄弟姉妹と同居してもよいと考えていました。
また、絶対に「ナシ」と答えた人は2割にとどまり、他の人は「関係による」「性別による」と答えています。
「状況次第では同居もできる」という人を含めると、じつに8割近くが兄弟姉妹で住んでもよいと考えているようです。
半数近くは兄弟姉妹と住むのは「アリ」と回答
「兄弟姉妹で将来同じ家に住むのはアリ」と答えた人は40.7%と、すべての回答で一番高い比率を占めています。
兄弟姉妹との同居に対して、抵抗のない人が多いようです。
仲の悪い兄弟姉妹と住もうと考える人はいないでしょうから、一般的に多くの兄弟姉妹は、良好な関係性を築けているといえるでしょう。
「関係による」「性別による」など状況次第でアリな人も多数
「関係による」と答えた人は32.7%で、全体で二番目に多い回答になりました。
現在の関係性が良好であっても、自分や相手の環境によって関係性が変わることを考慮している人は多いようです。
「性別による」は5.7%と、単体で見れば全体でもっとも少ない回答です。複数の兄弟姉妹がいる人は、相手が同性か異性かによって「アリ」か「ナシ」かも違うのでしょう。
しかし、どちらの回答も「状況次第では兄弟姉妹と同居してもよい」というように解釈できます。「同居は絶対にナシ」と考える人は少数派といえるでしょう。
絶対に「ナシ」な人は2割ほど
「兄弟姉妹で将来同じ家に住むのはナシ」と答えた人は21%です。肉親だからといって一緒に住めるとは限らず、同居を避けたい人は一定数いるという結果になりました。
ただし、アンケートに「ナシ」と答えた人でも、必ずしも兄弟姉妹と仲が悪いとは限りません。
むしろ、同居トラブルに発展して揉めないよう、別々に暮らしたいと考えている人が多いようです。
良好な関係を維持したいからこそ、生活環境にはある程度の距離を置きたいということでしょう。
もし兄弟姉妹で一緒に住むとしたらどんな家がいい?
「もし兄弟姉妹で一緒に住むとしたらどんな家がいい?」という質問に対しては、それぞれの生活スペースが区切られた家を望む人が多数でした。
一方で「家族団らんを楽しめる空間や設備のある家」は2割ほどに留まり、仮に同居しても生活スペースはしっかり分けたい人が多いとわかります。
ただし、その他の回答のなかには「家族団らんのスペースと自分の生活スペースの両方が欲しい」という意見も見られました。
「せっかく共同で住むのだから団らんできるスペースは欲しいけれど、自分だけの部屋は確保したい」という人も多いことがうかがえます。
「親族間で部屋などがはっきり区分けされている家」を望む人が7割以上
「親族間で部屋などがはっきり区分けされている家」を望む人は76%であり、基本的には自分の生活スペースを確保したい人がほとんどです。
兄弟姉妹であっても生活リズムや嗜好は異なるため、同居していてもプライバシーは保ちたい人が多いのでしょう。
ただ、どれくらいの区分けを望むかは人によって異なります。
シェアハウスのように「自分の部屋があればいい」という人もいれば、敷地内に建物を2つ建てて、個々のプライバシーには立ち入らないという考えの人もいました。
「バスルームなど水回りを分けたい」という意見がとくに多い
「バスルームやキッチンなどの水回りは完全に分けたい」という意見もいくつか見受けられました。
食事や入浴は生活の基礎であるため、水回りの使用タイミングが重なることで生活リズムを崩されたくないのかもしれません。
また、使用頻度が高ければ故障の可能性も高くなることや、衛生面から共用にはしたくないという考えも背景にあるようです。
日々の暮らしにおいて「水回りはとくに重要」と考える人が多いとわかります。
「家族団らんを楽しめる空間や設備のある家」を希望するのは2割以下
「家族団らんを楽しめる空間や設備のある家」を希望するのは18.3%と、少数派であることがわかりました。
同居していても、兄弟姉妹間でのコミュニケーションを重要視する人は少ないのかもしれません。
兄弟姉妹で同居するとなっても、その理由は「一緒にいたいから」ではなく、経済的事情や介護など現実的な理由が多そうです。
「家族団らんスペース」と「区分けされた部屋」の両方を希望する人も多い
「その他」と回答した人のなかには、家に対して「団らんの空間も個人の空間も欲しい」と答えた人が一定数いました。
プライバシーは保ちつつも、ある程度は日常のコミュニケーションも取りたいことがわかります。
兄弟姉妹で同居する家を探す、もしくは新しく建てる場合は、団らんスペースと区分けされた部屋を両立できる家にするとよいでしょう。
兄弟姉妹が一緒に住む際には同居ルールをしっかり決めたい?
「兄弟姉妹が一緒に住む際には同居ルールをしっかり決めたい?」という質問に対しては、大多数が「しっかり決めたい」と回答しました。
同居にあたっては、事前のルール決めを重要視している人がほとんどです。
「いちいちルールを決めるのは煩わしい」という人もいるかもしれませんが、日常の些細なトラブルから兄弟姉妹の仲が決裂してしまうケースもありえます。
兄弟姉妹で同居する際は、同居ルールを決めることが必須といえるでしょう。
「ルールを決めたい」という回答が9割近くで圧倒的
「ルールを決めたい」と回答した人は86.3%で、ほとんどの人が事前に同居ルールを決めたいようです。
「兄弟姉妹といえど他人なので事前にルールを決めるべきだ」という意見が多くありました。
毎日の生活拠点だからこそ、お互いにストレスのないルールを作りたいですね。
少数派ながら「ルールを決めたくない」という人もいる
「ルールを決めたくない」と答えた人は13.7%で、少数派であることがわかりました。
「いちいちルールを決めるのは面倒だ」「兄弟姉妹であっても他人に生活を縛られるのは嫌だ」と考える人がいるのかもしれません。
しかし、兄弟姉妹でも他人であるからこそ、お互いの生活や考えを尊重することが必要です。
事前にすべてのルールを決めるのはむずかしくても、なにか問題が起きたとき、都度話し合うようにするとよいでしょう。
これは欠かせないと言える同居ルールは何?
同居ルールとして「必ず決めておくべきこと」とはなんでしょうか?
アンケートでは、次のような結果になりました。
- 勝手に部屋に入らない
- お互いの生活に干渉しない
- 光熱費や家賃は正確に折半する
- 食事などの役割をしっかり決める
- その他
- 特にルールを設けない
上位には「勝手に部屋に入らない」「お互いの生活に干渉しない」という回答が多く、プライバシーを気にする人は非常に多いという結果になりました。
次に多いのが「光熱費や家賃は正確に折半する」で、経済的な取り決めも大切と考えられているようです。
「食事などの役割をしっかり決める」の回答数は4番目であり、あまり重要視していない人もいるようです。
1位:勝手に部屋に入らない
「勝手に部屋に入らない」と答えた人がもっとも多い結果となり、兄弟姉妹でも自分の部屋に入られるのは嫌な人が多いとわかります。
子供の頃は兄弟姉妹で同じ部屋だった人もいるかと思いますが、大人になると誰にも知られたくない秘密が増えるのかもしれませんね。
また、仕事関係の書類など「外部に漏らしてはいけない情報」が部屋にある、という人もいるでしょう。
他人の部屋に勝手に入らないのは、大人として最低限のマナーといえます。
2位:お互いの生活に干渉しない
「お互いの生活に干渉しない」というルールが2番目に多い回答でした。
1位の「勝手に部屋に入らない」と同じように、兄弟姉妹でもむやみに干渉するのはマナー違反といえます。
例えば、相手が兄弟姉妹ではなく友人ならば、人の生活に必要以上の口出しはしませんよね。
同じように、兄弟姉妹であっても相手の意思や立場を尊重し、適度な付き合いを心がけるとよいでしょう。
3位:光熱費や家賃は正確に折半する
3つ目に多い回答は「光熱費や家賃は正確に折半する」でした。
お金の問題はもっともトラブルになりやすいので、双方が納得できるように分担しましょう。
ただし、家賃のような「固定された費用」は一度の話し合いで済みますが、電気代やガス代、水道代などは月々で変動するものです。
「一律で半額ずつ支払う」というより、お互いがどれだけ光熱費を使ったかを考慮して、月ごとに清算するとよいでしょう。
4位:食事などの役割をしっかり決める
「食事などの役割をしっかり決める」は4位になりました。
食事以外にも、あらかじめ決めるべき役割分担はいくつかあげられます。
- 食事を作る人
- 掃除をする人(各部屋で分担するかどうか)
- ゴミ出しをする人
- 買い物をする人
- 洗濯をする人
お互いの得意or不得意な家事をすり合わせたうえで、出社時間や帰宅時間などの生活リズムも考慮して取り決めるとよいでしょう。
最初のうちはそれぞれの役割を交代でやってみて、お互いの得意な役割を見極めるのもおすすめです。
その他に決めておきたい同居ルール
主だった同居ルールは上記の4つですが、他にもいくつか「決めておきたい同居ルール」をあげてくれた人がいます。
そのなかでも、とくに重要そうなルールは次のとおりです。
- 共有するものをなるべく減らす
- 友人や恋人を連れてくるときは事前に相談する
- 外泊や長期不在は事前に連絡する
- 地域の行事にだれが参加するのか決めておく
- 家事などの負担が偏っていないか定期的に話し合う
それぞれのルールについて、詳しく見ていきましょう。
共有するものをなるべく減らす
「共有するものはなるべく減らす」という意見は比較的多く見られました。
なかには「冷蔵庫にあるものを勝手に使われたくない」「調味料もきっちりわけたい」という人も。
逆に「シェアできるものはなるべくシェアしたい」という人もいましたが、こちらは回答数としては少数派でした。
友人や恋人を連れてくるときは事前に相談する
「家に人を連れてくるときは必ず伝えておいてほしい」という人も一定数いました。
自分の家に、いきなり知らない人が来たら嫌な気分になりますよね。事前に誰か来ることがわかっていれば、その日は家を空けるなど対策が取れます。
なかには「誰も家に連れてこないでほしい」という、徹底した意見もありました。
外泊や長期不在は事前に連絡する
外泊で家に帰らないときや、仕事などで長期不在になる場合も、事前に伝えておいてほしいという意見がありました。
生活を共にしているからこそ、突然いなくなると不安になってしまいます。事故や事件に巻き込まれたのではないかと、警察沙汰に発展するケースもあります。
事前連絡なく家を空けるのは、基本的にマナー違反であると考えておきましょう。
地域の行事にだれが参加するのかを決めておく
町内会や消防団など、行事や活動が盛んな地域では「同居人のうち誰が参加するのか」も大切です。
地域行事をおろそかにすると、近隣の人たちと関係性が悪くなるケースもあるので注意が必要です。
地域の行事や活動は世帯ごとに分担しておこなうことが多いので、兄弟姉妹で同居するなら「誰が担当するか」を決めておくとよいでしょう。
家事などの負担が偏っていないか定期的に話し合う
同居ルールを取り決めた後も、生活リズムが合わずに無理が生じることや、生活を続けるうちに「負担が偏っている」と感じることがあります。
一度決めた同居ルールにこだわりすぎず、修正していくようにしましょう。
問題の発生時に話し合うのも重要ですが、日々の小さな不満を我慢してしまい、蓄積させてからいっぺんに爆発させてしまう人もいます。
週ごと、もしくは月ごとなど、定期的に不満点を話し合うとよいでしょう。
もし介護が必要になった兄弟姉妹がいたら一緒に住むor施設に預ける?
「もし介護が必要になった兄弟姉妹がいたら一緒に住む?施設に預ける?」という質問に対して、もっとも多かった回答は「施設に預ける」でした。
「一緒に住む」や「その他」という回答は、それぞれ2割ほどになりました。
昔は「介護は家族でやるのが当たり前」という考え方が主流でしたが、現代では施設に預けるのが一般的になってきたといえます。
一方、一緒に住むと答えた人のなかには「家族としてしっかり介護するのが当然」という意見もあり、家族で介護すべきという意識も根強いといえるでしょう。
「施設に預ける」という人が過半数
「施設に預ける」という回答は60%で、過半数となりました。
ちなみに、厚生労働省の「介護保険事業状況報告(月報・暫定)」を見ると、要介護(要支援)認定者に対して実際に施設サービスを利用しているのは14%程度であるとわかります。
要介護(要支援)認定者数 | 6,791,770 人 |
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居宅(介護予防)サービス受給者数 | 3,987,884人 |
地域密着型(介護予防)サービス受給者数 | 891,788人 |
施設サービス受給者数 | 957,106人 |
2021年現在、介護の実態としては在宅・通所の介護サービスを利用する人が多いといえるでしょう。
アンケート結果と比較すると、今後ますます介護施設の需要が高くなるといえるかもしれません。
参照:厚生労働省「介護保険事業状況報告(暫定)令和3年1月分」
「一緒に住む」という人は2割ほど
兄弟姉妹に介護が必要になったとき「一緒に住む」と答えた人は、全体の21%でした。
「兄弟姉妹で将来同じ家に住むのはアリ」と答えた40.7%のうち、ちょうど半分の割合になります。
兄弟姉妹との同居はアリでも、介護となると抵抗があるとわかります。
「兄弟姉妹やその配偶者の意見を尊重したい」という意見も見られたので、双方が元気なうちに、介護が必要になったときの対応をしっかり話し合っておくとよいでしょう。
「介護レベルや仕事環境による」という意見も多い
「その他」と回答した人のなかには「介護レベルや仕事環境による」という意見も多く見られました。
「介護が必要なときに直面しないとわからない」と考える人が多いとわかります。
しかし、いざ介護が必要になったとき慌てないよう、少しずつでも備えておくとよいでしょう。
そのため、利用できる制度や施設・サービスなど、介護について少しずつ調べておくことをおすすめします。
例えば、各自治体の介護保険窓口や地域包括センターなど、相談先を確認しておくだけでもスムーズな手続きの助けになるでしょう。
兄弟姉妹で一緒に住む家の権利ははっきりさせたい?代表者任せでいい?
兄弟姉妹と同居する際、家の権利をどうするかについて質問しました。
結果は「はっきり持分割合まで明確にしておきたい」と答えた人が「難しいことは代表者に全て委ねる」と回答した人の倍になりました。
「後々のトラブルになるのは避けたい」と考える人が多い反面、一定数の人は不動産の権利関係に対して「主体的な責任は負いたくない」と考えているようです。
「はっきり持分割合まで明確にしておきたい」人が過半数
「はっきり持分割合まで明確にしておきたい」は66.7%と、全体の過半数を占めています。兄弟姉妹といえども、権利関係はしっかりと分けておきたい人が多いとわかります。
実際に、肉親の間で不動産トラブルとなり、裁判沙汰に発展するケースは珍しくありません。
また、代表者が亡くなるといった事態になったとき、家の権利関係がわからず苦労する人もいます。
不動産の権利関係はできる限り人任せにせず、同居する人たちの間で情報を共有しておくほうがよいでしょう。
そもそも「持分割合」とは?
持分割合とは、不動産を共有名義にしたとき、各名義人(=共有者)がそれぞれもつ所有権(=共有持分)の割合です。
持分割合は、基本的に不動産を取得したときの出資額で決められます。
また、持分割合は相続によって細分化されていくのも特徴です。
また、1/2の共有持分をさらに子供2人で相続した場合、それぞれ1/4(=1,250万円相当)の共有持分を取得することになります。
共有持分は共有者間の利害関係が対立しやすいため、不動産を共有名義にするのは基本的に避けたほうがよいといえるでしょう。
「権利関係など難しいことは代表者に全て委ねる」人は3割ほど
自分で家の権利を管理せず、代表者に委ねたいという人は全体の33.3%でした。
家の権利は制度も複雑なため、下手に口出しするよりも1人に任せたほうがよいと考える人が多いようです。
また、仮に同居するとしたら「家を建てるのは兄弟姉妹だから自分には権利がない」と考えている人もいました。
「兄弟姉妹だから信頼している」という人も多いと思いますが、すでに解説したとおり、肉親であっても不動産トラブルで裁判沙汰になるケースは少なくありません。
自身の財産を守るためには「自分が主張できる最低限の権利」を知っておくとよいでしょう。同居する兄弟姉妹で、認識にずれがないようにすり合わせておくのも大切です。
兄弟姉妹で一緒に住む家で権利争いが起こったときあなたはどうしますか?
アンケートの最後に、記述式で「兄弟姉妹で一緒に住む家で権利争いが起こったときあなたはどうしますか?」という質問に答えてもらいました。
主な回答としては、次のような意見が多く見られました。
- 話し合いでなるべく穏便に解決する
- 弁護士を交えて協議する
- 代表者の意見にしたがう・相手にすべて譲る
基本的には「話し合いで穏便に解決したい」という意見が多く、兄弟姉妹で争ってまで自分の権利を主張したいと考えている人は少ないようです。
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
話し合いでなるべく穏便に解決する
「話し合いで双方が納得するように話し合いたい」という意見がとくに目立ちました。
「親戚が財産問題で揉めているのを見てよい気持ちがしなかった」という意見も多く、身近なところで権利争いが起きているのを見た人は、反面教師として捉える人がほとんどのようです。
また、話し合いで解決できない場合は「弁護士や第三者に仲介を依頼する」という人も多数見られました。
弁護士を交えて協議する
「話し合いによる解決」と同じくらいあったのが「弁護士など法律の専門家を間に挟んで解決する」という回答でした。
「兄弟姉妹であれば感情的になって好き勝手いいそう」といったリスクを想定している人もいるようです。
たしかに、弁護士に客観的な観点で仲介しもらえば、公平な解決が可能でしょう。
ただし、弁護士にも「得意なジャンル」や「不慣れなジャンル」があることには注意が必要です。
家の権利争いが発生した場合、不動産問題に詳しい弁護士に相談するのが大切といえます。
共有不動産の権利争いなら「弁護士と連携している専門買取業者」に相談するのもおすすめ
不動産問題のなかでも、共有不動産に関する争いはとくに複雑といえます。共有者それぞれが家に関する「権利」と「義務」をもつため、どちらが正しいor間違っていると判断しにくいのす。
権利争いで家を追い出された挙げ句、固定資産税や管理・修繕費用を請求されるような事態もありえます。
そこで、共有不動産で権利争いになったときの解決方法として、共有持分を売却するという方法があります。
共有持分さえ手放せば共有状態はすぐに解消されるため、共有者同士の不毛な争いや費用負担に悩まされることもなくなるでしょう。
共有持分専門の買取業者のなかでも「弁護士と連携している専門買取業者」なら、権利争いに対する適切なサポートも可能なのでおすすめです。
実際に売却するかは後から決められるので、まずは無料相談を受けてみるとよいでしょう。
代表者の意見にしたがう・相手にすべて譲る
「話し合いでの解決」や「弁護士を交えた公平な解決」を望む人がいる一方で、自分の意見は主張せず「代表者の意見にしたがう・相手にすべて譲る」と答えた人もいました。
「兄弟姉妹で争うぐらいなら自分が損しても相手に譲る」と考える人が、一定数いるようです。
また、兄弟姉妹で同居する場合は「相手の家に住むことになる」と考えている人も多く、自分が負担できる責任や義務が少ない分、意見を主張しないのがマナーだと考えているようです。
たしかに、相手にしたがって充分満足できる生活を送れるのであれば、自分の意見をわざわざ押し通す必要はありませんよね。
ただし、自分が譲ることで経済的・精神的に不満が生まれるのであれば、勇気を出して話し合いによる解決を模索したほうがよいでしょう。
兄弟姉妹との同居は事前にルールや権利関係を話し合っておこう
今回の調査で、兄弟姉妹との同居は「アリ」と考える人が多いとわかりました。
ただし、同居に際しては事前にルールを決めて、問題が発生したときはしっかりと話し合うのが大切だといえます。
また、家の権利問題が深刻化した場合は弁護士に相談するか、自分の共有持分を売却して共有状態を解消するのがおすすめです。
「肉親だから」と甘えずに、双方が自立した大人として冷静かつ公平な話し合いを心がけるようにしましょう。