共有不動産が不当に占有されたり、利用を妨害されている場合、あなたは共有持分権に基づく妨害排除請求をおこなえます。
具体的には、共有持分権の侵害をやめさせる、侵害に対する損害賠償請求をおこなう、などの妨害排除請求が可能です。
あなたの共有持分権が侵されている場合、まず弁護士に相談して、他共有者・第三者に対して妨害排除請求ができるか聞いてみましょう。
また、いますぐ共有持分トラブルを解消したい場合、自分の持分を専門買取業者に売却して、共有関係を解消することをおすすめします。
以下のリンクから、弁護士と連携している共有持分の専門買取業者に無料相談ができるので、妨害排除請求も視野に入れて、一度アドバイスを受けてみるとよいでしょう。
- 各共有者は共有持分権を有しているので、妨害排除請求ができる。
- 無断で共有不動産を処分・変更された場合、妨害排除請求が可能。
- 自分の共有持分権が侵害された場合、共有持分を売却する方法がおすすめ。
共有持分権に基づく妨害排除請求とは?
そもそも「共有持分権に基づく妨害排除請求」とは、何なのでしょうか?
複数人で共有不動産を共同所有している場合、各共有者には、所有権と同質の「共有持分権」が与えられます。
この共有持分権の権利が侵害されている場合、それを止めるように第三者へ請求することが「妨害排除請求」です。
まずは、共有持分権と妨害排除請求の概要について、簡単に見ていきましょう。
共有持分権の侵害をやめるよう請求できる権利
「共有持分権に基づく妨害排除請求」とは、共有不動産の利用を妨害されている場合などに、それを止めるように請求できる権利です。
具体的には、以下のようなケースで行使でき、侵害されている内容に応じた請求が可能です。
種類 | ケース |
---|---|
明渡・引渡請求 | 無権利者が不動産を占有している |
抹消登記請求 | 無権利者の登記が存在している |
第三者異議訴訟の提起 | 共有不動産が不当に差押えられた |
例えば、共有持分をもたない第三者が共有不動産を不当に使用している場合、その人物を追い出したり、損害賠償や賃料を請求できます。
各共有者は第三者への妨害排除請求が可能
各共有者は共有持分権をもつため、共有者単体で妨害排除請求をおこなうことが可能です。
共有不動産を売る場合や貸す場合、共有者全員または持分割合における過半数の合意が必要ですが、妨害排除請求は個人でおこなえます。
ただし、共有持分権をもたない第三者への妨害排除請求は認められやすいですが、自分と同じ共有持分権をもつ他共有者への妨害排除請求は認められない場合もあるため注意しましょう。
共有持分権に基づく妨害排除請求ができるケース
どのような場合、第三者や他共有者に対して、妨害排除請求がおこなえるのでしょうか?
共有持分権に基づいて妨害排除請求ができるケースは、大きく分けて以下の2種類です。
- 無断で共有不動産を処分された場合
- 無断で共有不動産を変更された場合
本来であれば共有不動産の変更・処分行為には共有者全員の合意が必要なので、あなたに無断で実施された場合は妨害排除請求ができます。
共有不動産の変更・処分行為とは、具体的には以下のようなケースを指します。
種類 | 具体例 |
---|---|
処分行為 | 共有不動産を売却・譲渡された |
変更行為 | 共有不動産を解体・建替えられた |
各ケースについて、順番に解説していきます。
1.無断で共有不動産を処分された場合
1つ目のケースは、共有不動産への処分行為を無断で施された場合です。
共有不動産の売却・譲渡などの処分行為をおこなう場合、共有者全員の同意が必要です。
ですので、あなたの許可を取らずに他共有者が共有不動産を処分した場合、他共有者からその人物へ妨害排除請求をおこなえます。
2.無断で共有不動産を変更された場合
2つ目のケースは、共有不動産への変更行為を無断で施された場合です。
共有不動産の建物を解体・建替えする場合、共有者全員から同意を取らなければなりません。
しかし、他共有者が許可なく変更行為をおこなった場合、あなたの共有持分権が侵害されたと考えられるため、妨害排除請求が可能です。
共有持分権に基づく妨害排除請求が認められた判例
共有持分権に基づく妨害排除請求が認められた1998年3月24日の判例を紹介します。
そのため、共有持分権に基づく妨害排除請求として、三男が原状回復を求めたところ、最高裁判所はそれを認める判決を下したのです。
なぜなら、共有不動産に変更行為を加えるには共有者全員の同意が必要であるにも関わらず、長男はその許可を得ていなかったからです。
自分の共有持分権が侵害された場合のトラブル解決法
もし自分の共有持分権が侵害された場合、どのように対処すればよいのでしょうか?
自分の共有持分権が侵害された場合のトラブル解決法としては、以下の2種類が存在します。
- 妨害排除請求を弁護士に依頼する
- 自分の共有持分のみを売却する
ここまで解説した妨害排除請求を弁護士に依頼するか、自分の共有持分のみを売却する方法も選択肢の1つです。
それぞれのトラブル解決法を解説します。
1.妨害排除請求を弁護士に依頼する
1つ目のトラブル解決法は、妨害排除請求を弁護士に依頼することです。
以下のデメリットがあるため、妨害排除請求を自分でおこなうことはおすすめしません。
- 手続きが複雑かつ面倒
- 希望する判決が得られにくい
妨害排除請求をおこなう場合、基本的に弁護士へ依頼することをおすすめします。
弁護士費用こそかかりますが、妨害排除請求を弁護士に依頼すれば、希望する判決を得やすい上、面倒な手続きも任せられるので便利です。
2.自分の共有持分のみを売却する
2つ目のトラブル解決法は、自分の共有持分を不動産業者に売却することです。
共有不動産は共有物なので、共有者全員の同意がないと売却できませんが、共有持分は個人の占有物のため、持ち主が自由に売却できます。
とはいえ、共有持分を購入しても共有不動産を自由に扱えるわけではないので、需要が少なく一般の買主には売れにくい傾向にあります。
すぐ売りたい時は共有持分の専門買取業者がおすすめ
共有持分は需要が少なく、一般の買主に対しては売れにくいですが、専門買取業者であれば、共有持分をより早く・確実に買取できます。
一般的な大手不動産業者などでは、共有持分は需要がないとして、買取拒否されたり、安値で買い叩かれてしまう場合も少なくありません。
一方、不動産業者のなかには、共有持分を専門に買取している専門買取業者もあり、最短数日で共有持分をスムーズに現金化できます。
売却トラブルが心配な人も、弁護士と連携している専門業者に相談すれば、あなたの持分を安全に買取してもらえるのでご安心ください。
おすすめの共有持分専門買取業者については、以下の記事でまとめているので、あわせて参考にしてみてください。
【共有持分の買取業者おすすめ28選!】共有名義不動産が高額買取業者の特徴と悪質業者の見極めポイント!
共有持分トラブルが起きたら専門家に相談しよう
第三者が共有不動産を占有するなど、あなたの共有持分権が侵害された場合、妨害排除請求をおこない、立退きや損害賠償を請求できます。
ただし、妨害排除請求が裁判所に必ずしも認められるとは限らず、希望する判決を引き出したい場合は弁護士に依頼しなければなりません。
もし共有不動産そのものが必要ない場合、所有する共有持分のみを売却して、共有関係を解消してしまう方法も1つの解決策です。
共有持分の専門買取業者に依頼すれば、他共有者とトラブルにならないように、あなたの持分だけを買取して最短数日で現金化できます。
弁護士と連携した専門買取業者に相談すれば、どのような方法で第三者や他共有者とのトラブルを解決できるかアドバイスをもらえるので、まずは話を聞いてみるとよいでしょう。
共有持分権と妨害排除請求に関するよくある質問
共有不動産における各共有者がもつ権利で、所有権と同質のものです。
第三者・他共有者によって共有持分権が侵害された場合、それを止めるように請求することです。
第三者・他共有者によって無断で共有不動産を処分・変更された場合、各共有者は自身の共有持分権に基づく妨害排除請求が可能です。
自分で手続きすることもできますが、裁判で希望する判決を獲得しにくいので、妨害排除請求は弁護士に依頼することをおすすめします。
すぐにトラブルから抜け出したい場合や共有不動産を手放したい場合、共有持分を売却する方法も選択肢のひとつです。共有持分の専門買取業者に依頼すれば、最短数日であなたの持分を買取して、共有関係を解消してもらえます。【弁護士と連携】共有持分の専門買取業者はこちら