【共有持分】買取請求されたらどうする?解決法と相談先を解説します

不動産を共有で所有している場合、他共有者から持分の買取を持ちかけられることがあります。

共有者は親族であることがほとんどで、できれば穏便に解決したいと思う人が多いはず。

しかし金銭的な事情などにより、買取をするのが難しいこともあるでしょう。

この記事では他共有者から持分の買取請求をされたときに、できるだけ穏便に解決する方法をわかりやすく解説しています。

また、困ったときの相談先も紹介していますので参考にしてください。

この記事のポイント!
  • 他共有者からの共有持分買取請求に強制力はない。
  • 共有者が共有物分割請求訴訟を起こす前に話し合いで解決しよう。
  • 買取請求を拒否した場合に他共有者が取りうる行動を確認しておこう。

他共有者から持分の買取請求をされたときの解決法

他共有者から買取請求をされたとしても、その請求自体に強制力はありません。

自分の持分のみであれば単独での売却が認められていますが、他の共有者に買取を強要することはできないのです。

他共有者から買取請求をされ、買取の意思がないのであれば、まずは自分に買取の義務はないことを伝えるのがよいでしょう。

ただ、他共有者からの買取請求に強制力はないとはいえ、無下に断るのも後の関係を考えると気が進まないという人も多いのではないでしょうか。

しかし答えを先延ばしにしたり、「買い取ってほしい」「買い取りたくない」の押し問答を繰り返すだけでは、解決にはたどり着きません。

そこで、いくつかの解決方法を説明していきますので参考にしてください。

共有者同士で話し合いの場を設けて解決する

買取を持ちかけてきた共有者と話し合いの場を設け、そこで解決するのが最善でしょう。

とはいえ何も準備をしないままだと、せっかく話し合いの場を設けても何も進まないという事態になりかねませんので、まずは共有不動産の状態を確認しておくことが大切です。

例えば、不動産を誰も利用していない場合と誰かが住んでいる場合では、提案できる解決方法も変わってきます。

不動産の利用状況を把握した上でお互いに納得できる方法を話し合うのがよいでしょう。

話し合いが上手くいかない場合は弁護士に相談する

共有者との話し合いに不安がある場合、弁護士に間に入ってもらうことで話し合いをスムーズに進めることができます。

法的な知識や経験を持った弁護士であれば、状況に合った解決方法をわかりやすく共有者に提案してくれるでしょう。

費用はかかりますが、穏便に話し合いを進めるためにも弁護士への相談を検討してみるのもよいでしょう。

共有不動産を一括で売却する

共有不動産を利用していない場合は、一括での売却を提案するのもよいでしょう。

共有不動産を一括で売却した場合は、売却によって得た利益を持分割合に応じて分配するのが一般的です。

分配方法がわかりやすく、後にトラブルの起きにくい方法なので、利用していない不動産であれば特に一括での売却はおすすめの解決方法です。

他共有者の持分を買い取ったほうが良い場合もある

場合によっては、他共有者からの買取請求に応じたほうが良いこともあります。

例えば共有不動産を自分が利用している場合、他共有者の持分を買い取ることで不動産を単独名義にできます。

単独名義の不動産であれば、いままで他共有者の同意が必要だった賃貸借契約や売却などが自由にできるようになります。

また、共有持分のみの売却価格は市場価格の相場よりも低いことが一般的です。

しかし、単独名義の不動産であれば市場価格の相場と変わらない金額で売却交渉ができるというメリットもあります。

このように持分を買い取ったほうが良い場合もあるので、よく検討した上で判断しましょう。

話し合いで共有物分割請求訴訟を回避しよう

前の項目でも述べたように、共有者からの買取請求に強制力はありません。

ただし、共有者が共有物分割請求訴訟を起こした場合、その限りではなくなります。

判決の内容によっては、共有不動産を競売にかけることにもなってしまうのです。

つまり、買取請求に応じた場合と変わらない結果になることがあります。

事前に共有者同士でよく話し合い、共有物分割請求訴訟は回避しましょう。

共有物分割請求訴訟について詳しく説明していきます。

共有物分割請求訴訟と基本的な3つの分割方法

持分権者であれば、いつでも共有物の分割を請求できます。

基本的に訴訟の前に共有者同士の話し合いによって分割方法を決定しますが、意見が一致しなかったり共有者が請求に応じない場合は共有物分割請求訴訟を起こし、裁判所に分割方法の裁定を仰ぐことが可能です。

共有物分割請求訴訟の判決による分割方法は基本的に以下の3つです。

  • 現物分割
  • 全面的価格賠償
  • 代金分割(競売)

それぞれ詳しく説明します。

現物分割

現物分割は、共有不動産を物理的に分割する方法です。

分割方法がわかりやすいので、共有不動産が土地のみであれば基本的にこの方法が優先されます。

ただし建物がある場合は、現物分割の適用は難しいため別の方法が採択されることが多いです。

全面的価格賠償

全面的価格賠償は、不動産を共有者のうち1人の単独名義とし、不動産を取得した者は他の共有者へ代償金を支払う方法です。

前の項目で述べたように、他共有者からの持分買取請求に強制力はありません。

しかし、共有物分割請求訴訟を起こされると、状況によっては全面的価格賠償が採択されます。

共有不動産を共有者の1人が専有している場合などに採択されやすい方法です。

代金分割(競売)

上記のどちらも適切でないと裁判所が判断した場合は、裁判所が共有不動産の競売を命じ、その代金を分割する方法がとられます。

ただし、競売になると売却価格は市場相場よりも大幅に下がってしまうケースがほとんどです。

不分割特約があれば共有物分割請求訴訟は起こせない

共有不動産は「5年以内の期間内であれば分割をしない」という不分割特約を設定できることが民法によって定められています。

民法第256条
各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。引用:e-Govポータル「民法第256条」

つまり、不分割特約を設定していればその期間内に共有物分割請求訴訟を起こすことはできません。

ただし、不分割特約を設定するには全員同意した上での登記が必要です。

また、特約の上限は5年であり、5年を過ぎても更新をしないと特約は無効になるので注意しましょう。

権利濫用が認められれば共有物分割請求訴訟は棄却される

共有物分割請求は持分権者がいつでも行使できる権利です。

しかし、一方に対して著しく不公平な結果になったり、分割自体が不合理であると判断されると、権利濫用と認められ訴訟は棄却されます。

例えば、訴訟により一方が住居を失ってしまう可能性がある場合や、通路として現に利用されている場合などです。

また、請求をする側に即時金銭を取得する必要性が低い場合にも認められることがあります。

ただし、権利濫用を主張しても最終的には裁判所の判断次第です。

権利濫用を認められる可能性があったとしても、訴訟を起こされる前に話し合いで解決するのがよいでしょう。

買取請求を拒否された他共有者はどんな行動をする?

前述したように、他共有者からの買取請求に強制力はなく、応じる義務もありません。

ただ、買取請求を拒否しても他共有者が持分売却を諦めずに他の手段をとる可能性があります。

買取請求を拒否した場合、他共有者が取りうる行動を解説します。

共有物分割請求訴訟を起こす

まず共有物分割請求訴訟を起こすことが挙げられます。

前の項目で述べたように、共有物分割請求訴訟の判決結果によっては他共有者の持分買取を命じられたり、共有不動産を競売にかけることを命じられる可能性があります。

訴訟には時間も費用もかかり、共有者との関係悪化も予想されるので、なるべく話し合いや他の方法での解決を提案するのがよいでしょう。

第三者に単独で持分を売却する

自分の持分のみであれば自由に売却することが認められているので、他共有者が単独で第三者に持分を売却する可能性があります。

第三者とは主に不動産業者や投資家です。

不動産業者や投資家は、他共有者から持分に応じた賃料を得たり、持分を増やして売却することで利益を出そうと考えます。

ですので、他共有者が第三者に持分を単独で売却した場合、ある日急に業者から持分の買取を持ちかけられたり、投資家から賃料を請求されることがあるのです。

悪質な業者の場合、大幅に低い買取価格を提示してくることがあるので注意が必要です。

持分を放棄する

共有持分の放棄は、他共有者の同意なく単独で実行が可能です。

放棄した持分は、持分割合に応じて他共有者に帰属されます。

その場合、税法上は贈与とみなされるため、贈与税が発生するケースがあります。

他共有者が買取を希望しているのであれば放棄をする可能性は低いと予想されますが、念のため持分が放棄されるとどうなるのか知っておくとよいでしょう。

他共有者からの買取請求で困ったら専門業者か弁護士に相談しよう

他共有者からの買取請求に強制力はありませんが、ただ断るだけだと、共有物分割請求訴訟などにより自分の望まない結果になってしまう可能性があります。

ですので、共有者が買取請求を含め共有不動産に関して何か提案をしてきた場合は、話し合いの場を設けるのがよいでしょう。

話し合いで解決できることに越したことはありませんが、共有持分や訴訟に関しての知識がないと解決が難しいケースもあります。

共有者との話し合いが難航しそうであれば、共有持分の専門業者か弁護士に相談をして間に入ってもらい、穏便に解決できる方法を見つけましょう。

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