共有持分をもっていると、不動産に関するトラブルに巻き込まれる恐れがあります。
共有持分とは「共有不動産における各共有者の所有権」であり、共有持分をもっている限り不動産の維持・管理に責任があるのです。
共有状態を解消しようにも、共有不動産を処分するには他の共有者と話し合わなければいけません。
共有状態をすぐにでも解消したい場合、自分の共有持分を売却する方法がおすすめです。自分の共有持分だけ売却すれば、他の共有者に同意をもらわなくても共有状態を解消できます。
また、共有持分専門の買取業者なら「共有持分の活用方法」を熟知しているので、高額買取・最短数日での現金化が可能です。まずは無料査定を利用して、売却に向けたアドバイスを聞いてみましょう。
- 共有持分を解消する方法は「他共有者から持分を買い取る」「共有物分割請求で分割する」「共有持分を手放す」の3つ。
- 自分の共有持分だけなら他共有者の同意がなくても自由に売却できる。
- 共有持分の売却で他共有者とのトラブルも解消できる。
共有持分を解消するメリット
共有持分を解消せずに放置しておくと、多くのデメリットがあります。
まず、共有持分を所有しているだけで、管理費用や税金といったコストがかかります。
しかし、共有不動産自体は自由に売ったり貸すことはできないため、個人で利益を出せることは少ないです。
- 【共有持分を解消することで抑えられる費用】
- 共有不動産を維持や管理するための費用
- 共有持分にかかる固定資産税や都市計画税
共有持分を解消すれば、これらのデメリットを一掃できるだけでなく、さまざまなメリットがあります。
共有関係の解消で支払いから逃れられる!共有持分の固定資産税納付方法について詳しく解説他共有者とのトラブルから離脱できる
共有不動産は他共有者と利害が対立しやすいため、共有者同士のトラブルが起こりやすくなります。
このように共有不動産では、共有者同士のトラブルが多く発生します。
トラブルが発展すると、家族同士であっても絶縁してしまったり、裁判沙汰になるケースも多いです。
共有持分を解消することで、共有不動産についてのトラブルを回避できます。
既にトラブルが起きていたとしても、共有持分を解消してしまえば、それ以降は一切関わる必要はありません。
単独不動産なら金銭の代わりに相続税として物納できる
相続税を納税する際、金銭ではなく不動産で納めることが可能な場合があります。
このように金銭以外のもので税金を納めることを「物納」といいます。
相続税法第41条1項
(中略)納付すべき相続税額を延納によつても金銭で納付することを困難とする事由がある場合においては、納税義務者の申請により、その納付を困難とする金額として政令で定める額を限度として、物納の許可をすることができる。(中略)引用:e-Govポータル「相続税法第41条1項」
物納の際に共有不動産のままだと、物納不適格物件となり納めることができません。
しかし、共有持分を解消して単独名義にすれば、金銭の代わりに不動産で納税することが可能になります。
自分の不動産や持分を現金化できる
共有持分を解消することで、自分の持分や不動産を使って、収益を得ることができます。
- 【共有持分を解消することで持分や不動産を収益化できる】
- 他共有者から持分を買い取る=不動産を完全な状態で自由に売却・賃貸可能
- 共有物の分割=分割後の不動産を自由に売却・賃貸可能
- 共有持分を手放す=共有持分を売却可能
このように、どのパターンで共有持分を解消しても、持分や不動産を現金化できます。
共有持分を解消する3つの方法
他共有者との共有持分を解消する方法は3種類あります。
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【共有持分を解消する方法】
- 1.共有不動産全体を専有する
- 2.共有不動産を分割する
- 3.自分の共有持分を手放す
それぞれの方法によって、共有持分を解消した後の不動産の状態が異なります。
1.他共有者から持分を買い取って共有不動産全体を所有する
「共有不動産をそのまま所有したい」という方に向いている方法です。
他共有者から持分を買い取って、不動産の所有権を全て自分が取得します。
すると、不動産は共有物ではなく自分だけの所有物になり、共有持分は解消されます。
ただし、他共有者が持分を売却してくれるとは限らないため、確実な方法とはいえません。
2.共有物分割請求で不動産の一部を取得する
共有物分割請求とは、文字どおり対象の共有物を分割したいと他共有者に求めることです。
不動産そのものを分ける「現物分割」と、金銭で解消する「代償分割」「換価分割」があります。
分割した不動産は個人の単独所有(もしくは金銭による分割)になるので、共有持分の解消が可能です。
民法第256条
1.各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。引用:e-Govポータル「民法第256条」
ただし、共有物分割請求はあくまで「共有物を分割するための話し合い」であるため、共有者が必ず分割に同意するとは限りません。
その場合は、共有物分割請求訴訟を起こせば他共有者が同意していなくても共有持分を解消できます。
ただし、裁判所で訴訟を起こす必要があるため、時間と手間がかかる上、分割後の不動産は面積が狭くなるので、資産価値が下がることがほとんどです。
共有物分割請求とは?共有物の分割方法や訴訟の手順・費用を詳しく解説不動産を分割できない特約があるので注意
共有物不分割特約という契約を交わしていた場合、共有不動産の分割ができないため注意が必要です。
民法第256条
1.(中略)ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。
2.前項ただし書の契約は、更新することができる。
ただし、その期間は、更新の時から五年を超えることができない引用:e-Govポータル「民法第256条」
このように共有者が合意した場合「共有物の分割をしない」という契約を結ぶことができます。
特約は5年しか効力を持ちませんが、契約を更新することが可能です。
3.共有不動産が必要なければ自分の共有持分だけを手放す
「共有不動産はまったく必要ない」という場合、おすすめの方法です。共有関係から自分だけ抜け出せます。
共有関係とは、共有不動産の権利の一部(共有持分)を持つことで発生するので、共有持分さえ手放してしまえば、共有関係で悩まされることもなくなります。
共有持分を手放すには「放棄」「贈与」「売却」という3つの方法があります。
いずれの方法も他共有者の同意は不要で、確実に共有関係を解消できます。
- 【共有持分を手放す方法は3種類】
- 相手を決めずに共有持分を手放す「放棄」
- 共有持分を誰かに渡す「贈与」
- 共有持分を誰かに売る「売却」
相手を決めずに共有持分を手放す「放棄」
誰にも譲り渡さず、共有持分を手放す行為を「放棄」といいます。
放棄をすると、手放した持分の権利は他共有者に移ります。
共有者が複数いる場合は、権利を移す共有者を選ぶことはできないので注意が必要です。
放棄された持分は、他共有者それぞれの持分割合に応じて帰属されます。
民法第255条
共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、
その持分は、他共有者に帰属する。引用:e-Govポータル「民法第255条」
ただし、放棄によって他共有者に持分が移った場合、受け取った側に贈与税が課税される可能性があります。
共有持分は放棄できる!放棄の手順や放棄後の登記も詳しく解説します共有持分を誰かに渡す「贈与」
共有持分を手放して、指定した相手に渡すことを「贈与」といいます。
ただし「贈与」は無償で送った場合のみで、金銭を介すと「売却」になります。
持分を渡す相手については、他共有者でも第三者でも問題ありません。
民法第549条
贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、
相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。引用:e-Govポータル「民法第549条」
なお、受け取った側には贈与税が課税される場合があるため、注意が必要です。
【共有持分の譲渡の仕方】やり方と方法別の税金制度についても解説!共有持分を誰かに売る「売却」
共有持分を譲渡する代わりに、金銭を受け取ることを「売却」といいます。
他共有者はもちろん、関係ない第三者や不動産会社に売ることも可能です。
ただし、買った側には不動産取得税と登録免許税が課税されるだけでなく、売った側に譲渡所得税がかかる場合もあるので注意しましょう。
不動産売却にかかる税金の種類や計算方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。
不動産売却にかかる税金の種類と計算方法を解説!節税できる控除の特例も紹介します共有関係を解消するベストな方法は「持分の売却」
ここまで共有関係を解消する方法を紹介しましたが、おすすめは「持分の売却」です。
他共有者から持分を買い取る交渉や、共有物を分割するための裁判は、非常に手間がかかります。
そのため、手間なく確実に共有関係を解消したい場合、自分の持分だけを手放す方法がよいでしょう。
持分を手放す方法でも「放棄」や「贈与」は無償で譲ってしまうので、経済的メリットがありません。
ですので、持分を手放しつつ現金化できる「持分の売却」がベストな方法といえます。
他共有者の同意がなくても売却できる
「持分の売却」をおすすめする理由の1つが、売却しやすい点です。
共有持分はあくまで個人の所有物なので、他共有者の同意がなくても売却できます。
たとえ他共有者が反対していても、個人の意思で共有持分を売却することが可能です。
なお、共有持分であっても売却の流れや必要書類は、基本的に通常の不動産売却と同じです。
売却の流れや必要書類について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
不動産売却と売買契約の流れを徹底解説!必要書類や費用も紹介共有不動産そのものを売却することは難しい
共有不動産全体であれば、共有持分よりも売却価格が高いですが、売ることが難しいです。
共有持分とは異なり、共有不動産そのものは共有者全員の所有物という扱いです。
そのため、共有者全員の合意がないと売却できないと法律で決められています。
民法第251条
各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。引用:e-Govポータル「民法第251条」
このように、共有者のうち誰か1人でも反対すれば、共有不動産そのものは売却できません。
他共有者の説得が難しければ、共有持分だけを売る方が現実的といえます。
共有持分専門業者の買取なら高値で売却できる
不動産会社の中でも、共有持分を扱う専門業者であれば、高値で買取してもらうことができます。
不動産会社は、買い取った持分をベースに共有不動産全体を売却することで利益化しています。
しかし、共有不動産の売却は共有者の説得に手間が掛かるため、一般の不動産会社は消極的なことが多いです。
共有持分を買取拒否されたり、安値で買い叩かれる場合も少なくありません。
しかし、共有持分を専門としている買取業者であれば相場と変わらない値段で取引できるケースが多くあります。
無料査定を実施している業者もあるので、相談してみるのもよいでしょう。
以下の記事で、共有持分の売却を専門とする不動産会社を紹介していますので、参考にしてみてください。
【共有持分の買取業者おすすめ28選!】共有名義不動産が高額買取業者の特徴と悪質業者の見極めポイント!共有不動産を分割すると売却価格が安くなる
共有不動産を分割した場合、共有持分よりも資産価値が低くなるケースがあります。
共有持分は後から他の持分も全て買い取ることで、共有不動産全体を高値で売却が可能です。
しかし、分割した不動産は面積が狭くなるため、売却価格も下がってしまいます。
そのため、共有不動産を分割して売るのであれば、共有持分のまま売った方がよい場合があります。
共有持分は売却して早めに解消しよう
共有関係は放置していると、金銭的負担やトラブルの原因になります。
そのため、共有持分はできるだけ早く解消した方がよいケースが多いです。
売れない共有不動産の権利だけを持っておくよりも、早めに現金化してしまった方がよいでしょう。
共有持分の買取専門業者であれば、共有持分を高値で買取できるので、まずは査定を受けることがおすすめです。
>>【早く・トラブルなく共有関係を解消できる】共有持分の買取査定窓口はこちら
共有持分についてよくある質問
共有持分とは、複数人が共有する不動産において「各共有者がどれくらいの所有権をもっているか」を指すものです。「持分1/2」というように、割合で表記します。
はい、解消方法はあります。「他共有者から持分を買い取る」「共有物分割請求で不動産の一部を取得する」「自分の共有持分だけを手放す」の3つがあるので、それぞれの希望や経済事情にあわせて適切な方法を選びましょう。
共有持分の取り扱いに不慣れな大手不動産会社より、共有持分を専門としている買取業者のほうが高額で買い取ってもらえるでしょう。また、離婚協議などでトラブルになっている場合は、弁護士と連携している専門買取業者に相談するのがおすすめです。→弁護士と連携した買取業者はこちら
共有持分の売買価格は、本来の価値から半額程度になるのが一般的です。ただし、売却相手や物件ごとの条件によっては高額になる場合もあり、すべての状況で共通する相場価格が決まっているわけではありません。
他の不動産会社が買取を断った物件でも、共有持分専門の買取業者なら売却できる可能性があるでしょう。共有不動産は権利関係が複雑なため、コストを気にする会社では取り扱いを断る場合があります。専門買取業者なら共有持分の活用ノウハウがあるので、積極的に買い取ってもらえます。