共有名義の底地を整理する方法は?共有名義のまま放置はNG!

共有名義 底地 整理

底地を共有名義のまま放置すると、さまざまなリスクがあるため、底地整理・共有状態の解消をおこなうべきです。

底地整理をすることで、通常の物件と同じ扱いになるため本来の資産価値に回復します。

ただし、底地が共有名義であれば、底地整理には他共有者の同意が必要な点に注意しましょう。

もしも、共有者から底地整理の反対を受けてしまった場合は、底地の共有持分のみを売却することも検討すべきです。

共有名義の底地を整理するには、法的な知識が必要になるため、弁護士と連携した不動産会社へ相談することをおすすめします。

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この記事のポイント!
  • 共有名義の底地を整理すると借地権の権利関係を解消できる
  • 共有状態における底地整理の方法は4つ
  • 底地を共有名義のまま放置するとさまざまなデメリットがある

共有名義の底地を整理すると借地権の権利関係を解消できる

底地は、借地人に貸し付けている土地のことです。借地契約において土地の所有者(=貸主)から見た土地の呼び方でもあります。

購入したとしても自由に土地を扱えないため、底地の価値は低くなります。

底地のままでは権利関係が複雑なため、底地整理の実施を検討するケースもあるでしょう。

底地整理・・・地主または借地人が、完全な所有権を取得し自分の土地として、自由に活用できる状態にすることです。底地・借地権の法的関係を解消するためにおこなわれます。

地主が借地権を買い取ったり借地人が底地を買い取れば、権利関係が解消できます。その結果、通常の物件と同じ扱いになるため本来の資産価値に回復します。

また、底地が共有名義であれば、共有状態の解消もおこなったほうがよいでしょう。

共有名義とは、不動産を複数人の名義で所有している状態です。

ある土地を3人で平等に所有している場合は、各名義人が「1/3ずつ」不動産に対する権利を持っています。

共有状態にある不動産を最大限活用するには、共有者全員の同意が必要になります。共有名義における底地の扱いを巡ったトラブルを避けるためにも、底地整理・共有状態の解消をすべきです。

【事例】共有名義の底地を整理して土地を高額売却できたケース

底地は、土地の権利すべてを有しているわけではないので、価値が下がってしまいます。

仮に、底地のまま第三者に売却するとしたら「本来における評価額の10%程度」の価格になるのが一般的だといわれています。

また、共有持分も土地の権利をすべて所有しているわけではありません。

共有持分のみを「1/3」売却しようとすると、売却価格も「土地全体における価格の1/3」になってしまいます。

そこで「底地整理」「共有状態の解消」をおこなうと、本来の資産価値に回復します。

例えば、本来の評価額が3,000万円の土地を底地として売却する際は、300万円ほどの売却価格になってしまいます。

この底地の共有持分を1/3のみ売ろうとしても、単純な計算ですが100万円でしか売れません。

そこで、借地権の買取と共有状態の解消ができれば、相場に近い値段(3,000万円程度)で売却できました。

共有状態における底地整理の方法

共有名義の底地を整理する方法は以下の4つです。

  • 共有者全員で底地を売却する
  • 借地人から借地権を買い取ったのち単独名義にする
  • 底地の共有者全員と借地人で「同時売却」する
  • 底地の持分権のみを売却する

ただし、共有名義の底地を整理するには、どの方法も法的な知識が必要になります。

1.共有者全員で底地を売却する

共有名義の底地を整理するなら、土地を売却する方法が手っ取り早いです。

底地を売却することで、底地の権利関係を手放せます。

ただし、共有名義の底地を売却するには共有者全員の同意が必要になるため、注意が必要です。

売却に反対する共有者がいれば、説得するか他の方法を選ばなくてはいけません。

底地の売却先は「借地人」がおすすめ

底地を売却するなら、まずは借地人への売却を検討してみましょう。

なぜなら、借地人にとっても底地を買い取るメリットが大きいからです。

例えば、借地人は建物の増改築や大規模なリフォーム、売却するには地主の承諾を得て、承諾料を支払う必要があります。

そこで、借地人は底地を購入することで、全部の所有権を得られるため、自由に土地を扱えるようになります。

このように、借地人にとっても、底地を購入することはメリットが多くあるのです。

お互いのタイミングや利害が一致すれば、相場に近い価格で底地を売却できるかもしれません。

自社買取の不動産会社に売却するのも良い方法

底地の売却がなかなかうまくいかない、借地人への交渉もしたくないし多分買い取ってもらえない、という方は「自社買取の不動産会社」に相談するのが良い方法です。

自社買取の不動産会社に相談すれば、物件を直接買い取るので、底地のように一般では売れないような不動産でもスムーズに、トラブル無く売却できます。

とくに、弁護士と連携した買取業者なら、複雑な権利関係になりやすい底地でも、適切な法手続きでトラブルを解消できるので、高額買取が期待できます。

まずは無料査定を受けてみて、どれくらいの価格で売れるのか調べてみることから始めてみましょう。

2.借地人から借地権を買い取ったのち単独名義にする

「土地の所有は続けたいが、底地整理をしたい」と考えているなら、借地人から借地権を買い取るとよいです。

その後、所有権移転登記をおこない単独名義にすることで、共有名義における底地の整理が完了します。

借地権を買い取って完全所有権にできれば、通常の土地と同じような扱いになるため、自由に土地を扱えるようになるのです。

ちなみに、建物もあわせて買い取る場合には、建物の価値も購入価格にプラスされます。

実際にいくらで取引すべきかは、ケースバイケースですので、不動産会社に相談し正しい価格で購入できるようにしましょう。

共有名義を解消する方法については、以下の記事を参考にしてみてください。
共有持分 解消 共有持分の解消は持分売却がベスト!解消するメリットと3つの解消方法を解説

3.底地の共有者全員と借地人で「同時売却」する

借地人へ借地権の購入を持ちかけた時、借地人が売却の意思を持っているなら「同時売却」することも選択肢の一つです。

地主と借地人が協力し、底地と借地権を同時に売り出せば、通常の不動産と同じように売却できます。

先ほども説明したとおり、底地と借地をそれぞれ単独で売却するときには、買主が見つかりにくいことから、売却価格が非常に低くなりやすいです。

そこで、同時売却であれば、相場通りの価格で売却できる可能性が高くなります。

ただし、同時売却の際にも借地人だけでなく、他共有者の売却同意が必要なので注意しましょう。

4.底地の持分権のみを売却する

「借地人に借地権の売却意思がない」「他共有者の売却同意が得られない」といった場合、自分が所有する底地の持分だけを売却することも検討しましょう。

この場合、まずは他共有者へ持分を売却できないか確認してみましょう。

他共有者は、底地の持分権を購入することで、単独名義の底地を所有できます。底地を単独名義にできれば、地代収入も単独で受け取れるため、共有者間のトラブルをなくせます。

共有者への売却も困難であれば、底地の共有持分を「共有持分専門の買取業者」へ売却するとよいです。

専門買取業者であれば、共有持分を活用・収益化する方法を確立しているので、安くなりがちな底地の共有持分でも高値で買い取りしてくれます。

底地を共有名義のまま放置するリスク

これまで共有名義における底地の整理方法を紹介してきました。

もしも、共有名義の底地を所有しているなら、できるだけ早く共有状態の解消・底地整理をおこなうべきです。

底地を共有名義のまま放置すると、以下のようなリスクが発生します。

  • 共有名義のままでは底地の管理に共有者全員の同意が必要
  • 他共有者が底地の持分を第三者に売却する可能性がある

次の項目から、それぞれのリスクを詳しく見ていきましょう。

共有名義のままでは底地の管理に共有者全員の同意が必要

単独では、共有されている底地の管理をおこなえません。

共有名義の底地を売却する・賃貸に出すなど活用するには、共有者全員の同意が必要になります。

「急にまとまったお金が必要になったので、底地を売却して資金に替えたい」と考えていても、共有者全員と話し合い、売却同意を得る必要があります。

各共有名義人が遠方に住んでいたり、仕事が忙しい場合などは、話し合いの場を設けるにも一苦労でしょう。

他共有者が底地の持分を第三者に売却する可能性がある

共有名義の底地そのものを売却するには、共有者全員の同意が必要です。

ただし、共有名義の底地における「共有持分」だけなら、自分の意思のみで売却できます。

逆にいえば、他共有者が第三者へ底地の持分を売却する可能性もあります。

底地の共有持分を買い取るのは、個人投資家や不動産買取業者が一般的です。良心的な買取業者であれば、トラブルなく底地整理を手助けしてくれるかもしれません。

ですが、持分を買い取った第三者が悪質であれば、法外な値段で持分の売却・買取交渉をしてくるかもしれません。共有関係に第三者が介入してくることで、底地の活用方法がさらにまとまりにくくなる恐れもあります。

このように、底地の共有状態にはリスクが多いため、早めに底地整理・共有状態の解消をしておくべきです。

共有名義の底地は早めに整理してリスクを避けよう!

底地は借地人に貸し付けている土地なので、購入しても購入者は自由に扱えません。

底地を整理することで、通常の物件と同じ扱いになるため本来の資産価値に回復します。

ただし、底地が共有名義であれば、底地整理には他共有者の同意が必要な点に注意しましょう。

共有者から底地整理の反対を受けてしまった場合は、底地の共有持分のみを売却することも検討すべきです。

なお、共有名義の底地を整理するには、法的な知識が必要になるため、底地整理を検討しはじめた段階で、弁護士と連携した不動産会社へ相談することをおすすめします。不動産会社のアドバイスを受けたうえで、自分にあった底地整理の方法を選びましょう。

共有名義の底地整理でよくある質問

共有名義の底地を整理するとどうなる?

地を整理すると借地権の権利関係を解消できます。その結果、通常の物件と同じ扱いになるため本来の資産価値に回復します。

共有名義の底地を整理するメリットは?

一番のメリットは不動産の価値が回復することです。共有名義の底地をそのまま売却しようとしても「土地全体の価格の10%以下」でしか取引されないことがほとんどです。一方で「底地整理」「共有状態の解消」をおこなうと、相場に近い値段で売却可能です。

共有名義の底地を整理する方法は?

「共有者全員で底地を売却する」「借地人から借地権を買い取ったのち単独名義にする」「底地の共有者全員と借地人で同時売却する」「底地の持分権のみを売却する」といった方法があります。

共有名義の底地整理をうまくできるか不安・・・

共有名義の底地を整理するには、法的な知識が必要になります。そのため、共有名義の底地を売却するなら、弁護士と連携した不動産会社へ依頼・相談するのがおすすめです。「無料相談可能!」弁護士と連携した不動産会社はこちら

底地を共有名義のまま放置してもよい?

共有名義の底地を所有しているなら、できるだけ早く共有状態の解消・底地整理をおこなうべきです。底地を共有名義のまま放置すると、底地を自由に管理できなかったり、他共有者が持分を第三者へ売ってしまうなどのリスクがあります。

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