つなぎ融資中に離婚する場合の建築工事や住宅ローンの取り扱いを解説!離婚後に完成した家の活用方法も紹介します

つなぎ融資中 離婚

つなぎ融資とは、住宅ローンの契約から融資実行までにかかる費用を支払うために借りる、一時的な融資です。

住宅ローンの融資は住宅の完成後に実行されるので、つなぎ融資中ということは家を建築している途中です。

「つなぎ融資中」に離婚する場合、建築工事の途中解約は可能ですが、実際は工事の進み具合によって判断すべきです。

建物の基礎や土台ができている場合は撤去に費用をかけるより、そのまま完成させて売却するとよいでしょう。

新築の状態なら高額で売却できるので、住宅ローンも大部分を返せるはずです。売却時は共有不動産や共有持分の専門買取業者に相談して、具体的な価格や売却に向けたアドバイスを聞いてみましょう。

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この記事のポイント!
  • すでに支払われたつなぎ融資は返済義務があり解約はできない。
  • 建築中の家は途中解約できるが、解約までの工事代金や違約金は支払わなければならない。
  • 住宅ローンの取り下げは契約締結前に申請すればキャンセル料はかからない。
  • 離婚が決まっても、家を完成させて入居や貸し出し、売却などで活用する方法がおすすめ。
目次
  1. つなぎ融資で支払われた代金は返済しないといけない
  2. 離婚にともなって建築中の家を途中解約できるのか?
  3. 離婚によって住宅ローンを取り下げるなら契約の前に申請しよう
  4. 離婚後に完成した家を活用する方法
  5. つなぎ融資中の離婚は今後の人生設計も考慮して家の処理を考えよう

つなぎ融資で支払われた代金は返済しないといけない

つなぎ融資とは、住宅を建てるにあたって住宅ローンの融資実行までにかかる費用を支払うために受ける融資です。

住宅ローンは、審査を通過しても実際に融資が開始されるのは住宅が完成した後になります。

しかし、住宅は完成前に支払いが発生するものも多数あります。主な例は以下のとおりです。

  • 工事を開始するときに支払う着手金
  • 建物の基本構造(=柱や梁など)が完成したとき支払う上棟金
  • 土地の購入代金

これらの支払いのために、住宅ローン実行前の一時的な借り入れとしてつなぎ融資を受けます。

つなぎ融資もお金を借りている事実に変わりはないので、例え離婚をして家が不要になっても、かならず返済しなければいけません。

返済義務はつなぎ融資の名義人にあるが財産分与で夫婦が折半する場合もある

つなぎ融資の主流な返済方法は、住宅ローンの借り入れ額につなぎ融資の元本と利息を組み込み、住宅ローンの融資が開始されたと同時に一括で返済する方法です。

しかし、住宅工事や住宅ローンを解約する場合、つなぎ融資を一括で返済するか分割で返済するかは、つなぎ融資を組んだ金融機関との交渉次第です。

金融機関が一括返済しか認めず、手元に資金がない場合は、他でお金を借りて返済しなければなりません。もしくは、弁護士に相談して金融機関に分割を認めてもらうよう交渉してもらうのもよいでしょう。

つなぎ融資の返済義務は契約の名義人にあります。負債は財産分与の対象にならないのが原則です。

しかし、離婚協議で夫婦双方が合意すれば、支払いを折半できます。その場合、慰謝料や養育費として相手の負債を支払ったり、他の財産と相殺したりするといった形になります。

離婚時の財産分与については、下記の記事も参考にしてみてください。

【離婚時における自宅の財産分与】自宅はどうなる?財産分与の方法を状況別に詳しく解説

離婚にともなって建築中の家を途中解約できるのか?

離婚するとなれば、夫婦で住む予定だった家もいらなくなる場合がほとんどでしょう。実際、離婚によって「建築途中の家をキャンセルできないか」と考える人は少なくありません。

建築工事の途中解約自体は、原則として可能です。しかし、タイミングによっては途中解約せずに家を完成させたほうがよい場合もあります。

また、無償での解約はできないと考えたほうがよいでしょう。契約内容や工事の進み具合によって金額は違いますが、解約までの工事費用や違約金を支払う必要があります。

次の項目から詳しく解説をしますので、しっかりと読んでから、家を建てる工務店やハウスメーカーに解約を申し出るようにしましょう。

途中解約はできるが工事の進行具合によっては止めないほうがよい

着工前であれば、途中解約をしても更地の土地が残るだけです。しかし、着工後で建物の基礎や土台がすでにできている場合、その撤去費用は発注者が負担します。

途中解約の違約金とは別に支払わなければならず、余計な出費がかさみます。

工事の進行具合によっては途中で工事を中止せず、完成させてから家を活用する方向で考えるとよいでしょう。

つなぎ融資で決済した土地の売買契約は解約できない

家を建てるにあたって土地も新しく購入する人は多いと思います。つなぎ融資の目的として土地の購入代金があるのは先に解説したとおりです。

つなぎ融資で決済していれば、土地の所有権はすでに自分のものになっています。そのため、買主の都合で土地の売買契約を解除できる可能性は0に近いといえるでしょう。

土地の決済が終わっているならば、契約の解除ではなく、売却や貸し出しなどを検討しましょう。

工事を途中解約するなら建築会社との交渉が必要

建築工事を途中解約する場合、建築工事を請け負った工務店やハウスメーカーなどの建築会社と交渉しなければなりません。

建築会社も工事にあたってさまざまな出費があるため、買主の都合ですぐに解約するというわけにもいきません。

各社によって途中解約に関する取り決めは違います。建築会社の担当者に途中解約の連絡をする前に、建築工事請負契約書をしっかりと読み込むようにしましょう。

契約内容に途中解約の条項があればスムーズに解約できる

契約書に途中解約の条項があれば、その内容に沿って解約の手続きを進めます。

違約金や解約可能期間について記載があるはずです。

仮に途中解約の条項がない場合、違約金の金額などについて、建築会社とあらためて交渉する必要があります。不当な条件をつけられないように、弁護士に相談してみるとよいでしょう。

着手金や工事が終わっている部分の代金は支払うのが一般的

通常、工事の着手前に建築費の10~30%を着手金として支払うのが、建築工事の慣習となっています。

買主都合で工事の途中解約をする場合は、着手金の放棄(=返還請求をしない)をするのが一般的です。

また、すでに工事が終わっている部分も、それまでにかかった実費(=人件費や材料費など)を支払うケースが多いでしょう。

注意すべきなのは、建物は1つの建築会社ですべて建てるわけではなく、建設業者や設備業者、左官業者や外装業者など、多くの下請け業者に依頼して先々のスケジュールを確保しているという点です。

同じように、材料や設備もすぐに用意できるものではないので、基本的には着工前に発注しています。

つまり、建築工事における費用は、現場の作業より先のものが発生しているということです。

単純に「解約時点までの工事費を払うだけ」とはいかないと考えましょう。

違約金と損害金の合計は「契約額の20%」まで

建築工事の違約金は、工事費用の10%としている建築会社が多いようです。

着工前や着工して間もない場合、着手金の放棄だけで違約金が発生しないケースもありますが、基本的には別で請求されると考えましょう。

また、建築会社によっては、途中解約で予定していた利益を得られなくなることに対し、損害賠償を請求する可能性があります。

違約金と損害賠償の合計額は、宅地建物取引業法において契約額の20%までと上限が定められています。

宅地建物取引業者がみずから売主となる宅地又は建物の売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の額の十分の二をこえることとなる定めをしてはならない。

引用:e-Govポータル「宅地建物取引業法第38条」

法外な違約金や損害賠償を請求されたときは鵜呑みにせず、まずは弁護士に相談してみましょう。

離婚によって住宅ローンを取り下げるなら契約の前に申請しよう

住宅ローンの申し込みは、下記の3段階に分けられます。

  1. 申し込んで審査中(事前審査or本審査)
  2. 審査を通過して契約をまっている状態
  3. 契約して融資実行をまっている状態

1の審査中や、2の契約を交わす前であれば、キャンセル料を支払わずに住宅ローンの申し込みを取り下げられます。

契約の締結は金融機関の窓口でおこなうので、それまでに取り下げの申請をしましょう。

契約を交わした後も、融資実行前であれば申し込みを取り下げられる可能性はあります。

ただし、事務手数料や調査手数料、契約にかかる印紙代などを請求する金融機関もあるため、余計な出費を抑えるためには早めの申請が重要となります。

住宅ローンの「取り下げ」ではなく「申込内容の変更」なら再審査を受けなければならない

住宅ローンの審査は、申し込んだ時点での経済状況などで判断します。

そのため、契約後に住宅ローンの取り下げではなく申し込み内容の変更をするのであれば、審査を受け直さなくてはなりません。

例えば、夫婦の連帯債務や連帯保証で住宅ローンを申し込んでいたとします。離婚が決まっても住宅ローンをキャンセルせずに、連帯債務者や連帯保証人を変更して融資を受けたいと考える人もいるでしょう。
その場合、配偶者の代わりに連帯債務者や連帯保証人になってくれる人を探して、金融機関に再び審査してもらう必要があります。

離婚後に完成した家を活用する方法

途中で家の建築をやめると、それまでの工事代金や違約金、すでに工事が済んでいる部分の撤去費用といった余計な出費がかかってしまいます。

また、土地だけ手元に残しても、結局は使いみちがなく持て余してしまいます。

工事の進み具合にもよりますが、余計な出費をかけるより、そのまま家を完成させて活用したほうがよいでしょう。

活用方法としては、売却や賃貸で収益化する他、夫婦のどちらかが住む方法も考えられます。

どちらかが入居する

「夫婦で入居するつもりで買った家に1人で住むことなんてあるの?」と思われるかもしれませんが、離婚後にどちらかが入居する方法には多くの利点があります。

住宅ローンの月々の返済額が、賃貸の家賃以下になるケースは珍しくありません。1人で住むには多少広いと感じても、それだけ自由に使えるスペースがあるとも考えられるでしょう。

また、離婚後に再婚して、新しい家族で住むというケースもあります。離婚の話し合い中や離婚直後はあまり考えられないかもしれませんが、将来のライフスタイルによっては建てた家が無駄にならない可能性は充分にあります。

どちらかが住むならローンの分担や支払い方法を決めよう

どちらかが入居するのであれば、住宅ローンをだれがどのように支払うか離婚時の話し合いで決めておきましょう。

話し合いの内容は、お互いに約束を破らないように離婚協議書や公正証書を作成しておくのをおすすめします。

ローンの分担は他の財産や慰謝料、養育費など個々の状況で大きく変わります。下記の記事を参考にしつつ、夫婦で納得のいく取り決めをましょう。

離婚時の財産分与で住宅ローンを折半する方法を状況別に解説します

名義人と入居者が違う状態になる場合は金融機関に相談しよう

住宅ローンは、基本的に「ローン名義人と住宅の名義人は同じであること」という決まりがあります。

そのため、夫婦どちらかの単独名義で家を建てたのであれば、ローン名義人が入居するのが通常といえます。

例えば「夫名義の家に妻が住む」といったケースも実際にはありますが、そういった場合はかならずローンを組んだ金融機関に相談しましょう。

金融機関に無断で、ローンの名義人が入居していない状態になると、残債の一括返済を求められる可能性があります。

離婚にあたって「ローン名義人ではない方が入居する」というケースは非常に複雑なので、別記事の詳しい解説も参考にしてください。

離婚後に妻が持ち家に住む方法を状況別に解説!リスクと対処法も解説

賃貸物件として貸し出す

新築の賃貸物件として貸し出せば、高い収益を得られる可能性があります。

ただし、すでに解説したとおり「ローン名義人と住宅の名義人は同じであること」が住宅ローンの決まりです。

そのため、住宅ローンが残っている住宅を賃貸物件にするのは、本来のルールを破ることになります。

ただし、実際には事情次第で貸し出しを承諾してくれる金融機関もあります。

そのまま賃貸物件にするのを認める、もしくは別のローンへの切り替えを提案するなど、金融機関によって対応はさまざまです。

貸し出しを希望するのであれば、住宅ローンを組んだ金融機関に相談してみましょう。無断で貸し出すのは規約違反となり一括返済のリスクもあるので避けるべきです。

入居せずに売却する

入居せずに新築の状態で売却すれば、高値で売却することも可能です。売却益をすべて住宅ローンの繰り上げ返済に充てれば、残債を大幅に減らせるでしょう。

離婚後に夫婦のどちらが入居するかで話し合う必要がなく、賃貸の管理にかかる負担もなくせます。

離婚時は住宅以外の財産分与や、慰謝料や養育費の取り決めなど、多くの話し合いが必要になります。場合によっては、その話し合いも困難な状況があるでしょう。

「完成した家をそのまま売却する」という方法はシンプルなため、離婚における話し合いの手間を軽くし、精神的にも楽になるのでおすすめです。

離婚で家を売るときは売却益とローン残高で売却方法が変わるので注意しよう

住宅ローンが残っている家を売るとき、売却益が残債を上回る「アンダーローン」か、残債が売却益を上回る「オーバーローン」かで売却方法が変わります。

そして、新築の状態で売り出してもほとんどの場合はオーバーローンとなります。よほどの好条件が揃わない限り、残債を上回る金額で売れることはないでしょう。

アンダーローンの場合は通常の不動産売却と同じです。しかし、オーバーローンの場合はローンを組んだ金融機関に許可をもらい、任意売却の手続きをしなければなりません。

任意売却は手続きが複雑なため、きちんと知識がある不動産業者に相談しましょう。任意売却の詳しい解説は下記の記事を参考にしてください。

任意売却とは 任意売却なら競売を回避できる!メリット&デメリットや具体的な手順と費用を解説!

家がいくらで売れるか調べるには、不動産業者の無料査定を受けるのがもっとも正確で手っ取り早いでしょう。

共有名義で建てた家なら共有持分専門の買取業者への依頼がおすすめ

家の名義を共有名義にしていた場合、売却先の候補として共有持分専門の買取業者をおすすめします。

「住宅の売却といえば仲介」というイメージをもつ人もいると思いますが、仲介は購入希望者を探すのにある程度の期間が必要です。

一方、買取業者であれば最短数日で現金化も可能です。なるべく早く財産分与を終わらせたい場合、買取業者に依頼して現金に変えてしまうのは効率的な手段といえるでしょう。

また、共有持分は権利関係でトラブルになるケースが多い分、専門に取り扱う買取業者は法律知識や権利関係の調整も得意分野です。任意売却についても知識のある業者が多くいます。

離婚に関して不動産関係でなにか悩みがあれば、気軽に相談してみるとよいでしょう。

おすすめの買取業者をピックアップした記事があるので、そちらもぜひ参考にしてみてください。

共有持分おすすめ買取業者 【共有持分専門の買取業者おすすめ16選!】共有名義の不動産が高く売れる買取業者の特徴と見極めポイント!

つなぎ融資中の離婚は今後の人生設計も考慮して家の処理を考えよう

家の購入を決めてから離婚する夫婦は、決して少なくありません。

それがつなぎ融資中の場合、家の建築を取りやめるか、そのまま完成させて活用するかは、工事の進行具合によって判断すべきといえます。

大切なのは、どうすれば離婚後の夫婦双方にとってよい選択になるかという点です。

離婚時に具体的な将来を考えるのはむずかしいかもしれませんが、できるだけ冷静に話し合い、お互いの生活にとってプラスになるような選択を取れば、話し合いもスムーズに終わるでしょう。

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