共有持分の移転登記が必要な状況を詳しく解説!登記費用や税金についても説明します

共有持分 移転登記

移転登記とは、不動産や共有持分(共有者それぞれの所有権)の名義を売買や贈与・相続によって変更するとき、権利の移動を公に認めてもらうための手続きです。

共有持分の場合は、この手続きを「持分移転登記」といいます。

移転登記をしないと権利の移動を証明できず、処分や管理でトラブルになる恐れもあるので、忘れずに申請しましょう。

移転登記は法務局で申請します。自分でも申請は可能ですが、弁護士や司法書士など法律の専門家に代行してもらうのが一般的です。

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この記事のポイント!
  • 不動産の所有者が変わったときは登記が必要。
  • もとの不動産が単独名義なら「所有権移転登記」のみ。
    共有名義ならさらに「持分移転登記」をする。
  • 登記の依頼は弁護士よりも司法書士がおすすめ。
目次
  1. 不動産の所有者が変わるときは移転登記が必要
  2. 持分移転登記が必要な共有持分を手放すパターン
  3. 持分移転登記の手順と必要書類&費用
  4. 移転登記により課税される可能性のある税金
  5. 共有持分における登記は「持分移転登記」をすると覚えておきましょう

不動産の所有者が変わるときは移転登記が必要

不動産の所有者が変わるとき、その証明として移転登記が必要です。

状況によっては司法書士などの専門家への依頼を含めて、移転登記を自分でしなければならないこともあります。

まずは移転登記に関する基本的な知識を解説していきます。

所有権移転登記と持分全部移転登記の違い

登記にも種類がたくさんありますが、共有持分の登記をするなら所有権移転登記と持分移転登記の違いを押さえておくとよいでしょう。

不動産の所有権が移るときは所有権移転登記をします。

さらに、所有権が移る不動産が共有名義である場合は所有権移転登記に加えて持分移転登記が必要です。

この2つはよく混同されがちですが、もとの不動産が単独名義なら所有権移転登記のみ、共有名義なら、さらに持分移転登記が必要と覚えておくとよいでしょう。

共有持分においては基本的に持分移転登記をする

前述したように、共有持分においては基本的に持分移転登記をします。

ただし持分移転登記にも複数あり、状況によって「登記の目的」欄の記入方法が変わります。持分移転を決めたら持分をどのように移転させるのかを明確にしましょう。

申請書の「登記の目的」欄記入方法の代表的な例を3つ提示します。

  • Aの持分を全てBに移転した場合→A持分全部移転登記
  • Aの持分を一部Bに移転した場合→A持分一部移転登記
  • AとCで共有している不動産をすべてBに移転した場合→共有者全員持分全部移転

基本的には以下の2点を確認することで登記の区別ができます。

  • もとの不動産が単独名義か共有名義か
  • 移転する持分は全部か一部か

土地と建物で所有者が違うケースは登記内容もそれぞれ記載される

土地と建物で所有者が違うケースはよく見られます。さらに土地は単独名義で、建物は共有名義ということも少なくありません。

例えば土地がAの単独名義であり、建物がAとBの共有名義である不動産を土地建物共にCへ移転するとします。

こういったケースでは、土地と建物それぞれで分けて考えます。

土地はもとが単独名義であるので所有権移転登記、建物はもとが共有名義であるのでさらに持分移転登記が必要となり、それぞれ分けて記載をします。

弁護士よりも司法書士に依頼するのがおすすめ

登記は自分でもできますが、複雑な作業も多いので手続きに不安を感じる人も多いのではないでしょうか。

また法務局は平日しか受付をしていないため、平日に時間をとるのが難しいときは司法書士に依頼するのがおすすめです。

弁護士に依頼することもできますが、登記に関しては司法書士の方が精通していることが一般的です。

もちろん中には登記に精通している弁護士もいますが、どちらに依頼をするか迷ったらまずは司法書士に相談してみるのがよいでしょう。

持分移転登記が必要な共有持分を手放すパターン

共有持分を手放すときは、自分が持っている共有持分の権利を誰かに移転することになるため「持分移転登記」が必要となります。

共有持分を手放す状況は様々ですが、その中でも持分移転登記が必要となる代表的な5つのケースを説明していきます。

相続財産に共有不動産があるとき

共有不動産を所有している方が亡くなった場合は、その方が所有していた共有持分を手放すことになるので持分移転登記が必要です。

さらに相続の場合は所有者がいなくなるため、不動産の一部だけを手放すことはありえません。

そのため、共有不動産を相続するときは「持分全部移転登記」をします。

単独名義不動産を複数人で相続する場合は所有権移転登記

単独名義の不動産を複数人で相続し、共有名義とした場合は所有権移転登記をします。

このケースは特に持分移転登記と混同されやすいですが、もとの所有者が単独名義なので登記後に共有になるとしても所有者移転登記のみです。

所有権移転のみか持分移転が必要かで迷ったら、不動産のもとの所有者が単独か共有かを確認しましょう。

共有持分を売買したとき

共有持分の売買においては、売主が共有持分を手放し、その所有権が買主に移転するため持分移転登記が必要です。

売買の場合は一般的に、契約を締結した日に登記をします。

また、共有持分の売買は共有者間ですることが多くありますが、身内だからと相場よりも大幅に低い価格で売却してしまうと、贈与税が発生することがあるので価格設定には注意しましょう。

共有持分が農地の場合は農地法の許可が必要

売買する持分が農地の場合は農地法の許可を取らなければなりません。

ただし、農地法の許可は売買後に農地をどう活用するかで変わるので注意しましょう。

例えば、農地を売買後も農地として利用する場合は第三条、売買後に農地以外に利用するのなら第四条の許可が必要です。

詳しくは総務省による農地法のページを参考にしてみてください。

参照:e-Govポータル「農地法」

共有持分を放棄したとき

放棄によって共有持分を手放す場合も持分移転登記をします。

共有持分の放棄は共有者の同意なく単独で実行が可能です。

ただし、持分放棄後の持分移転登記には共有者の協力が必要です。

もしも共有者が登記に協力してくれないときは「登記引取請求訴訟」を提起し、裁判所命令により強制的に登記させられます。

しかし、裁判には費用も時間もかかるので、共有者に相談をしてから持分放棄をして登記に協力してもらうのがよいでしょう。

登記引取請求訴訟については以下の記事を参考にしてください。
持分放棄の登登記引取請求訴訟 概要記が 持分放棄後の未登記は登記引取請求訴訟で解決!概要や費用について詳しく解説します

離婚による財産分与が発生したとき

夫婦の共有名義で不動産を所有していた場合、離婚による財産分与で不動産をどちらかの単独名義にするケースはよく見られます。

この場合も、片方が持分を手放すことになるため持分移転登記が必要です。

住宅ローンが残っていない不動産であれば、そのまま持分移転登記の手続きを進めることができますが、住宅ローンが残っている場合は金融機関に相談をしましょう。

住宅ローンが残っている場合は金融機関に確認が必要

金融機関は住宅ローンの借入時の条件で審査をし、契約をしています。

そのため、住宅ローンが残っている状態で不動産の持分を勝手に移転してしまうと、契約違反とみなされる可能性があります。

契約違反とみなされると、残りの住宅ローンを一括で請求されてしまうこともあるので注意が必要です。

住宅ローンが残っている場合に持分移転をするときは必ず金融機関に相談しましょう。

共有物分割請求訴訟により代償分割が選択されたとき

共有者の誰かが共有物分割請求訴訟を起こし、裁判所の判決で代償分割が選択されることがあります。

代償分割とは、共有者の誰かが他共有者の持分を買い取ることで共有関係を解消する方法です。

この場合、売る側の共有者は持分を手放すことになり、その持分は買い取る側の共有者に所有権が移転するので持分移転登記をします。

共有物分割請求とは

共有物分割請求とは、共有者それぞれに認められた共有状態の解消を求める権利のことです。

一般的には訴訟に移る前に共有者間で話し合いの場を設けます。

共有者間で話がまとまらない場合は、共有物分割請求訴訟を起こして裁判所に適切な分割方法の裁定を仰ぐことができます。

持分移転登記の手順と必要書類&費用

持分移転登記の手順と必要書類やかかる費用を説明していきます。

登記の手順は基本的に変わりませんが、必要書類は相続や離婚など持分が移転する原因によって変わる場合もあるので注意しましょう。

移転登記の手順

移転登記を自分でおこなうときの手順は基本的に以下のとおりです。

①必要な書類を用意する
②登記申請書を作成する
③法務局へ提出する
④登記完了証を受け取って完了

もしも書類の不備があったときは再度法務局に出向く必要があります。

また、提出は登記の対象である不動産を管轄している法務局でないとできないので注意しましょう。

必要な書類

持分移転登記で必要な書類は、登記原因によって異なります。

共有者全員の実印や印鑑証明が必要な場合もあるので、しっかりと確認しましょう。

また、申請書は法務局のページからダウンロードできます。

申請書にも種類があるので注意しましょう。

参照:法務局

相続における登記については以下の記事で詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
共有持分 相続 登記 共有持分相続時は持分全部移転登記を!手順や費用も詳しく解説します

移転登記にかかる費用

登記にかかる費用は大きく分けて以下の3つです。

  • 登録免許税
  • 必要書類の取得費
  • 司法書士への報酬

特に登録免許税に関しては、通常の登記と異なるので注意しましょう。

それぞれ説明していきます。

登録免許税

一般的に、登録免許税を求める計算式は以下のとおりです。

  • 課税標準額×4/1000(税率)

課税標準額は基本的に固定資産税評価額と一致し、毎年届く固定資産税の納税通知書で確認できます。

ただし持分移転登記をする場合、納める登録免許税は持分割合に準じます。

例えば移転する持分が1/3のとき、上の式で求めた数字にさらに1/3をかけた金額を登録免許税として納めます。

必要書類の取得費

登記のために必要な書類の発行手数料は、基本的に以下の通りです。

  • 住民票・・・300円
  • 固定資産税評価証明書・・・300円
  • 印鑑登録証明書・・・450円

自治体によって違う場合もあるので、詳細は管轄の自治体に問い合わせをしてみてください。

司法書士への報酬

登記の手続きを司法書士に依頼する場合は、司法書士への報酬が発生します。

金額は依頼をする事務所によって異なりますが、相場は50,000円から80,000円程度だといわれています。

複雑な手続きが多いため司法書士に依頼するのが一般的ですが、費用を抑えたい場合などは前の項目を参考に、自分で手続きをすることも可能です。

移転登記により課税される可能性のある税金

移転登記をすることで不動産の所有権が移り、不動産の所有者が変わります。

その結果、利益が出たり税法上は贈与とみなされたときなど課税される可能性のある税金がいくつかあります。

控除が適用できるものもあるので、参考にしてみてください。

売却により利益が出た場合は「譲渡所得税」がかかる

共有持分を売却して利益が出ると譲渡所得税が課せられる場合があります。

譲渡所得は売却価格から取得費と譲渡費用を引いたもので、譲渡所得に税率をかけたものが譲渡所得税です。

不動産を所有していた期間によって、税率が以下のように変わります。

    長期譲渡所得(所有期間が5年を超える)

  • 所得税15%
  • 住民税5%
    短期譲渡所得(所有期間が5年以下)

  • 所得税30%
  • 住民税9%

例えば、譲渡所得が1,000万円の場合は以下の式で求められます。

  • 長期譲渡所得税=1,000万×(15%+5%)=200万
  • 短期譲渡所得税=1,000万×(30%+9%)=390万

ちなみに、所有期間は売却をした年の1月1日時点での期間であり、売却時点での所有期間ではないので注意しましょう。

相続財産の合計額によっては「相続税」がかかる

遺産の総額から基礎控除額を引いた額が相続税の対象となります。

基礎控除額を求める式は以下のとおりです。

  • 3,000万+600万×法定相続人の数

さらに詳しい相続税の税率や、状況によって適用できる控除に関しては国税庁のページを参考にしてみてください。

参照:国税庁

持分を放棄した場合は「贈与税」が発生することがある

自分の持分を放棄すると、その持分は持分割合に応じて他の共有者に帰属されます。

ただし持分の放棄は税法上、贈与とみなされ持分を取得した共有者に贈与税がかかる場合があるので注意が必要です。

また、贈与を受けた総額が年間110万円以下であれば贈与税が控除されるのでうまく活用するとよいでしょう。

相続以外で不動産を取得すると「不動産取得税」がかかる

不動産取得税とは、有償・無償に関わらず不動産を取得したときに自治体に納める税金です。

ただし、相続によって取得した不動産は課税の対象外となります。

不動産取得税は以下の計算式で求めることができます。

  • 不動産取得税=取得した不動産の価格(固定資産税評価額)×税率

共有持分における登記は「持分移転登記」をすると覚えておきましょう

登記には様々な種類がありますが、もとの不動産が共有名義である場合は「持分移転登記」が必要です。

もとの不動産が単独名義か共有名義か、移転する持分は一部なのか全部なのかを確認すると、どの登記が必要であるかが見えてきます。

また、贈与税や譲渡所得税など持分を手放すことで発生する可能性がある税金も押さえておくとよいでしょう。

登記は自分でもできますが複雑な作業や必要な書類も多いため、迷ったら司法書士に相談するのがおすすめです。

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