共有者不明の共有私道は売却できる?売却方法や売却先を解説します

共有者不明 共有私道 売却

共有私道の売却には私道共有者の承諾が必要です。

しかし、共有者が不明な場合はどのように売却すればいいのでしょうか?

「共有者が不明だと、共有私道は売却できない?」
「私道を売却する際に、気を付けるべきことを知りたい!」

など、さまざまな疑問や悩みがあるかと思います。

この記事では、共有者が不明の私道を売却する方法や、おすすめの売却先を解説します。共有者が不明な私道でもスムーズに売却できるようになるので、ぜひ参考にしてみてください

この記事のポイント!
  • 共有私道を売却するとき、共有者が不明の場合は不在者財産管理制度を利用しよう。
  • 私道の共有持分だけでも売買できるが「接している土地」もあわせて売却する方がよい。
  • 私道の持分権利については法務局で調べられる

共有者不明の共有私道を売却するときは不在者財産管理制度を利用しよう

共有私道を売却するときは、原則的に「通行承諾書」と「掘削承諾書」が必要とされています。

掘削承諾書・・・工事業者が水道などライフライン引き込み工事をするために必要
通行承諾書・・・私道の通行を許可してもらうために必要

承諾書を取得するには、私道持分の所有者全員から承諾を得る必要があります。

持分所有者が多いほど、承諾書の取得が困難になってしまいます。

また、私道持分の所有者が不明な場合もあるでしょう。

共有私道の所有者が不明な場合は「不在者財産管理制度」を利用できます。

不在者財産管理制度・・・所有者の行方や生死が不明なときに代理人を選任できる制度

不在者財産管理制度を利用して代理人を選定することで、共有者不明の土地でも承諾書を得られるようになるでしょう。

利害関係者であれば不在者財産管理人の選任申し立てができる

不在者財産管理人は家庭裁判所に選任を申し立てることによって、代理人がたてられます。

この申し立てをおこなえるのは「利害関係者または検察官」のみとされています。

民法第25条

従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。
引用:e-Govポータル、民法

家庭裁判所の判決にもよりますが、私道の売却を検討している人は「利害関係者」に当たるため、申し立てを受理されるでしょう。

私道の共有方法には2種類ある

私道の共有状態は大きく分けて2種類あります。

  • 1つの私道が複数人で共有されている場合
  • 分筆されて複数の土地として共有されている場合

私道が複数人で共有されている場合は「持分の権利」を所有している状態です。

一方、分筆されている場合、その土地は「単独名義の土地」です。

以下の項目からそれぞれに分けて説明します。

1つの私道が複数人で共有されている場合

1つ目が「1つの私道が複数人で共有されている場合」です。

この場合は「私道の持分」を各共有者がそれぞれ「◯分の◯」というように所有権をもっています。

このケースだと私道における共有持分の一部を所有しているため、私道の通行が可能です。

しかし「私道の掘削承諾」はないので、注意しましょう。

私道 共有状態

1つの私道を共有している場合は「持分の権利」を売買する

1つの私道を共有している場合は「私道そのものの所有権」でなく「持分の権利」を所有していることになります。

ですので、複数人で共有されている私道を売却する場合は「持分の権利」を売買します。

例えば、私道の持分権利を「1/6」所有していたとします。

この場合で私道を売却する際は「1/6」私道の共有持分を売却することになります。

分筆されて複数の土地として共有されている場合

2つ目が「分筆されて複数の土地として共有されている場合」です。

このケースは、私道を分筆(1つの土地を複数に土地にわけること)して所有するケースです。

1つの私道に見えますが、所有権が分けられていて、各所有者が単独で所有しています。

また画像のA.B.C.Dのように、他人の土地を通らなければ公道に出られない場合もあります。

私道 分筆

分筆されている場合は「単独名義の私道」を売買する

私道が分筆されている場合は、持分権利ではなく「単独名義の私道」を売却することになります。

しかし「単独名義の私道」であっても、他人の土地を通らなければ、公道に出られないケースがあるので注意しましょう。

他人の私道を通行しなければ公道に出られない場合は、他共有者から掘削・通行承諾を得る必要があります。

私道の共有持分だけでも売買できるが「土地」もあわせて売却する方がよい

先ほども説明しましたが、私道だけの売却もできます。

しかし、実際に私道を売却する際は、私道に接する土地もあわせて売却する方がよいでしょう。

私道の持分権利は、不動産にアクセスするためにあるからです。

例えば、下図の「不動産A」と「私道の共有持分A」を所有していたとします。

「私道の共有持分A」を手放してしまうと、他共有者の私道を通らなければ公道に出られなくなってしまいます。

私道 分筆

私道だけを売却しようとしても売却価格が安くなってしまう

先ほども解説しましたが、私道の持分権利は不動産にアクセスするためにあります。

買主からすると私道だけを購入しても、得られるメリットはほとんどありません。

私道に明確な相場はないので、一概にはいえませんが「私道だけ」を売却する際は、売却価格が安くなってしまいます。

私道を売却する際は、土地もあわせて売却するべきでしょう。

私道の持分権利については法務局で調べられる

私道の持分権利を売却する際は、共有私道の持分や所有者を明らかにする必要があります。

もしも、正式な持分割合を把握していなければ、売却時にトラブルが発生してしまうかもしれません。

共有私道の持分や所有者を明らかにするため、法務局で「登記事項証明書」を取得しましょう。

登記事項証明書・・・法務局の登記簿に保管されている登記のデータを書類にしたもの。

登記事項証明書を取得することで、正確に私道の持分や所有者を把握できます。

登記事項証明書の請求は登記所や法務局に赴くことで取得できます。

また、自宅へ郵送できるオンライン手続きもおすすめです。

オンライン手続きなら、書類や印鑑などの用意がなくても、簡単なパソコン操作だけで請求できます。

以下のページから、登記事項証明書の請求をおこなえます。

参照:登記事項証明書の請求にはオンラインでの手続きが便利です(法務局)「2 オンラインによる証明書の交付請求手続のご案内」

私道を売買する際は「通行承諾書」と「掘削承諾書」を用意しよう

私道の売却時には、購入者が家屋を建てたりライフラインを整えるための「通行承諾書」と「掘削承諾書」を用意しておきましょう。

また、共有私道には2種類あるため、所有方法によって承諾をもらうべき相手が違います。

1つの私道が複数人で共有されている場合は、持分の所有者全員から承諾をもらう必要があります。

一方、分筆されて複数の土地として共有されている場合は、実際に掘削・通行するルート上にある私道の持主からの承諾が必要です。

また、承諾をもらうべき相手のなかに、所在不明者がいる場合は、先ほど解説した「不在者財産管理人」から承諾書を取得できます。

承諾書の取得が困難な場合は共有持分を専門に扱う買取業者に相談しよう

売却時に通行承諾書・掘削承諾書の取得が困難な場合は、共有持分を専門に扱う買取業者に相談するとよいでしょう。

共有持分を専門に扱う買取業者は、承諾書が無くても不動産を有効活用できるため、承諾書を用意できなくても買取可能です。

また、共有者が不明で「不在者財産管理人」の選定が必要な場合でも、専門の買取業者であれば、速やかに対応してくれるでしょう。

なお、私道や私道に接する土地の売却は、権利関係が非常に複雑です。

共有私道の取り扱いを得意とする専門買取業者に、任せた方が売却をスムーズに進められるかもしれません。

以下の記事で、おすすめの専門買取業者を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

共有持分おすすめ買取業者 【共有持分専門の買取業者おすすめ16選!】共有名義の不動産が高く売れる買取業者の特徴と見極めポイント!

共有者不明の場合は不在者財産管理制度を利用し共有私道を売却しよう

共有私道を売却するときは、私道持分の所有者全員から承諾を得る必要があります。

もしも、所有者が不明な場合は、不在者財産管理制度を利用することで売却が可能になります。

また、私道を売却したいときは、該当の土地もあわせて売却することを検討してください。

買主からすると私道だけを購入しても、得られるメリットはほとんどありません。

私道だけを手放すのではなく、土地とあわせて売却することで、高く私道を売却できるでしょう。

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