親子リレーローンで購入した共有不動産の持分割合設定について解説!税金の負担を抑える方法も説明します

親子リレーローン 共有持分

親子リレーローンとは、親子2世代で返済を引き継ぐ住宅ローンです。

親子で1つの不動産を購入するので、共有名義になります。住宅ローンの負担額に合わせて、不動産の共有持分(共有者それぞれの所有権)を取得するのが一般的です。

共有持分割合の分け方を適当に決めてしまうと、贈与税を負担しなければならず、不要な出費が増えてしまうので注意しましょう。

親子リレーローンの場合、子供の返済がスタートするころには家が老朽化している場合もあります。

そういった場合、親子リレーローンが残っていても家や共有持分の売却はできるので検討してみましょう。売却益を住宅ローンの返済に充てて、残りを新しい家の購入資金にすることも可能です。

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この記事のポイント!
  • 親子リレーローンでは、親子同士で共有持分の持分割合を自由に決められる。
  • 親子それぞれの親子リレーローンでの返済負担額と持分割合が異なると、贈与税を負担しなければならない。
  • 親子それぞれの持分割合は、親子リレーローン返済における負担額と同じ比率にするのがベスト。

親子リレーローンで購入した不動産は親子2人の共有名義不動産になる

「親子リレーローン」では、親子2人で2世代に渡って住宅ローンを返済します。

    【親子リレーローンの仕組み】

  • 1.まずは住宅ローンを親が1人で返済
  • 2.残りの住宅ローンを子供1人で返済

親子2人で住宅ローンを組むことで、1人で組むより借入可能額が多くなり、返済期間を長くできるといったメリットがあるため、利用する方も少なくありません。

この「親子リレーローン」で購入した住居は、親子どちらにも所有権がある「共有名義不動産」になり親子それぞれに「共有持分」という権利が与えられます。

共有持分をわかりやすくいうと「共有名義不動産全体が100%のうち何%が自分の所有権であるか」を示す、断片的な所有権というイメージです。

    【共有名義不動産と単独名義不動産の違い】

  • 親子で購入した住居「共有名義不動産」=親子2人の共有物
  • 1人で購入した住居「単独名義不動産」=購入者1人の所有物

次の項目では、親子リレーローンの仕組みと親子リレーローンで購入した共有名義不動産において「親子それぞれがどれくらいの権利をもっているか」をあらわす「持分割合」の決め方を解説します。

親子リレーローンの仕組みとメリット

はじめに「親子リレーローン」の仕組みについて確認しておきましょう。

親子リレーローンは、ローン返済を親子で交代して2世代に渡って返済ができる、連帯債務型の住宅ローンのひとつです。

2世代に渡って長期間返済できるので、以下のようなメリットがあります。

    【親子リレーローンのメリット】

  • 年齢制限で住宅ローンを組めない高齢者でもローンが組める
  • 長期間に渡って返済することで月々の返済額を抑えられる
  • 親子で収入合算することで借入可能額を増やせる

親子2人で返済する住宅ローンには「親子リレーローン」の他に「親子ペアローン」という方法もあります。

「親子ペアローン」では親子で同時に返済できるため、短期間で返済したい方はそちらを検討するのもよいでしょう。

    【親子リレーローンと親子ペアローンの違い】

  • 親子リレーローン=親子2人で1つのローンを組む
  • 親子ペアローン=親子それぞれ1つずつ別々にローンを組む

親子リレーローンの持分割合は出資額に応じて設定しよう

親子それぞれの共有持分の大きさは「親4/5:子1/5」のように「持分割合」という分数で表記されます。

親子リレーローンの持分割合は自由に設定できますが、後に贈与税などを発生させないためにも出資額に比例して設定しましょう。

持分割合の決め方は、法律上は「その人が負担した金額/住居取得にかかる費用」とされ「住居取得のために多く出資した人ほど、持分割合も多く取得するべき」と考えられています。

しかし、持分割合を決定するために必要な登記手続きにおいては、法律に則らず自由な割合で登記ができるのです。

そのため、親子で半分ずつローンを負担していても「親1/100:子99/100」のような極端な持分割合にすることもできます。

ただし、その場合は親から子へ49/100分の不動産が贈与されたとみなされ、贈与税の対象となります。

もしも持分割合を誤って登記してしまったときは、すぐに訂正しましょう。

次の項目から、贈与税を発生させない方法と、ベストな持分割合の登記方法を説明していきます。

年間の贈与額が110万円以下であれば贈与税は控除される

前の項目でも述べたように、共有不動産の持分割合と不動産購入にかかる費用の負担割合の比率が異なると、贈与税が課税されてしまいます。

なぜなら、税務署が考える「持分取得のために負担すべき金額」と「住宅ローン返済で実際に負担している金額」の差額が、親子間で肩代わりしている「みなし贈与」として扱われるためです。

具体例を挙げて説明します。

【みなし贈与と扱われる例】
住居の購入資金が1,000万円、親750万円:子250万円で親子リレーローンを組んだが、持分割合を親1/2:子1/2とした場合

・子供が持分取得のために負担すべき金額=1,000万円×持分割合1/2=500万円
・実際に子供が負担している金額=200万円

⇒差額の300万円は、親から子への贈与として贈与税がかかる

本来ならば、1/2の持分を取得するには親子リレーローンの1/2である500万円を負担しなければならないのですが、実際には200万円しか負担していないため、差額の300万円が贈与であると判断されてしまいます。

親子リレーローンでは、子供のために親が資金援助することで「出資額は親のほうが多いが、持分割合は子供のほうが多い」というケースが多く見られますので、贈与税は特に注意しなければなりません。

ただし、年間の贈与額が110万円以下であれば控除が受けられるので上手く活用するとよいでしょう。

親子それぞれの負担割合と同じ持分割合で登記するのがベスト

贈与税の負担を避けるためにも、親子それぞれの持分割合は親子リレーローン返済における負担額と比率を揃えて登記するのがベストです。

例えば、以下のように親子リレーローン返済の負担額が親4:子供1であれば、持分割合も親4/5:子1/5にするとよいでしょう。

【親子間でのベストな持分割合の例】
住居の購入資金が1,000万円、親800万円:子200万円で住宅ローンを組んだ場合

・住宅ローン返済の負担割合=親4:子供1
・ベストな持分割合=親4/5:子1/5

親子リレーローン返済中でも持分比率は変更できる

 
「贈与税を抑えたいので、親子それぞれの持分割合を訂正したい」という場合、親子リレーローン返済中でも後から持分割合を変更できます。

ただし、住宅ローン返済中の住居には抵当権があるため、勝手に持分比率を変更すると契約違反になり、ローン残債の一括返済を求められる恐れもあります。

ですので、住宅ローン返済中に親子それぞれの持分割合を変更する場合、あらかじめ住宅ローンを組んだ金融機関に相談しておくとよいでしょう。

また、親子間の持分割合を変更するには「所有権更正登記」と「持分移転登記」の2パターンがあり「今ある持分を完全に手放すか否か」によって方法が異なる点も注意が必要です。

親子それぞれの持分割合を訂正する「所有権更正登記」

 
持分割合だけを変更したい場合「所有権更正登記」をおこないます。

「所有権更正登記」では、親子それぞれが共有持分を持ち続けながら、持分割合だけを変更できます。

親子リレーローンでの負担割合と持分割合が揃っていると、後述する「住宅ローン控除」という制度でもより多く減税できるため、節税対策をするのであれば「所有権更正登記」で持分割合を訂正しておきましょう。

    【所有権更正登記をおこなうべきケース】

  • 「不動産購入時に登記した持分割合を訂正したい」
  • 「贈与税を避けたいので持分割合だけ変更したい」

「所有権更正登記」で持分割合を訂正する場合、こちらの記事を参考にしてください。
共有持分 更正登記 【間違った登記はすぐ修正!】共有持分における更正登記の方法や書類&費用を解説!

親子どちらか一方が所有権を手放す「持分移転登記」

親子どちらか一方が持分を手放す場合「所有権更正登記」ではなく「持分移転登記」をおこないます。

あらかじめ「持分移転登記」で親の持分を子供へすべて移しておけば、亡くなってから相続するより税金を抑えて生前贈与できるので、覚えておくとよいでしょう。

また、親子リレーローンを解消したい場合、1人用の住宅ローンに借換えた上で持分移転すれば、共有名義不動産を単独名義不動産にすることも可能です。

    【持分移転登記をおこなうべきケース】

  • 「相続税を抑えるため、親の持分を子供に生前贈与したい」
  • 「親子リレーローンを解消したいので、親との共有名義不動産から抜けたい」

「持分移転登記」をおこなう方法については、こちらの記事を参考にしてください。
共有持分 移転登記 共有持分の移転登記が必要な状況を詳しく解説!登記費用や税金についても説明します

親子リレーローンの経済的負担を減らすための方法

親の死後は子供1人で親子リレーローンを返済しなければならないため、できるだけ早い段階で住宅ローン残高を減らしておきたいですよね。

親子リレーローンによる経済的負担を減らす方法は、持分割合の変更だけではありません。

さまざまな制度を知っておけば、毎年の税金を減額できたり、親子リレーローンの返済を免除してもらうことも可能です。

ここからは「住宅ローン控除」や「団体信用生命保険」など、親子リレーローンの返済負担を軽くできる方法を解説します。

住宅ローン控除を申請すれば所得税・住民税を軽減できる

「住宅ローン控除」を利用することで、毎年の所得税や住民税を減額できます。

住宅ローン控除を申請すると、住居の購入から約10年間、所得税や住民税が最大40万円控除されます。

ただし、親子リレーローンは親子で一緒に住んでいなくても申込みできますが、住宅ローン控除は実際に住居に住んでいる人しか対象になりません。

つまり、親子2人とも住宅ローン控除が受けられるとは限らないため、注意しましょう。

二世帯住宅であれば住宅ローン控除を二重に受けられる

二世帯住宅で一緒に住んでいる場合、親子2人で住宅ローン控除を二重で受けることができます。

親子ともに最大限まで控除を受ければ、最大80万円控除を受けることも可能です。

住宅ローン控除が受けられる条件や、控除額を2倍にする方法については、こちらの記事を参考にしてください。

住宅ローン控除 共有持分 連帯債務 住宅ローン控除を最大限受ける方法!連帯債務型は共有持分の割合に注意

団体信用生命保険に加入すれば親子リレーローンを完済できる

住宅ローンを完済できる制度として「団体信用生命保険」という住宅ローン専用保険があります。

団体信用生命保険に加入しておくと、加入者が亡くなった場合、保険金として住宅ローン残債が全額支給されます。

つまり、加入者である親または子が亡くなった時点で住宅ローンの返済が免除されるのです。

しかし、子供しか団体信用生命保険に加入できない親子リレーローンも多く、親が亡くなっても住宅ローンが免除されないというケースも少なくありません。

ですので、親から子へ返済義務を引き継がないためには、親でも団体信用生命保険に加入できる「フラット35」などの親子リレーローンがおすすめです。

親が団体信用生命保険に加入していればローン残債が全額免除

団体信用生命保険は、債務者がローン返済中に亡くなった場合に住宅ローンの残高を保険でまかなえる制度です。

病気や怪我だけでなく認知症などの高度障害でも、保険金を支給してもらうことが可能です。

ただし、団体信用生命保険の被保険者は満80歳までしか保証されない点に注意しましょう。

つまり、親が団体信用生命保険に加入していても、80歳以降に亡くなった場合は子供1人で親子リレーローンの残債を返済しなければなりません。

ローン返済が苦しいときは住居の売却も検討しよう

親子リレーローンの返済が親から子へバトンタッチされる頃には、購入した住居が老朽化していることも多いです。

「新しく家を買い替えたい」や「住宅ローン返済が苦しい」という場合、住居を売却して返済資金に充てるのもひとつです。

親子リレーローンを完済しない限り、親の返済期間中であっても子供は住宅ローンを新しく組むことができません。

今ある住居を売却して親子リレーローンを完済できれば、子供が新たに住宅ローンを組めるだけでなく、新居の購入資金に回すこともできます。

ローンが残っていても共有不動産は売却できる

「親子リレーローンが残っているのに、住居を売却できるのか?」という問題ですが、金融機関の合意があれば売却可能です。

債権者である金融機関の合意が得られれば、抵当権を解除してローン返済中の住居を売却できます。

住居を売却した売上を返済に充てることで、親子リレーローンを完済できるケースもあります。

ただし、売却価格が親子リレーローン残高より少ない場合、返済義務は残り続けるため注意しましょう。

親から相続した共有名義不動産は子供が自由に売却できる

「親と共有名義になっている住居を自分1人で売却できるのか?」という問題ですが、自分1人で売却しても問題ありません。

親が亡くなった場合「親の持分をすべて相続できる」場合と「親の持分を一部だけ相続できる」場合の2通りがあります。

いずれの場合でも、住居全体あるいはその一部を子供1人で自由に売却できます。

    【親が亡くなった際に持分を相続する方法は2パターン】

  • 1.親の持分を自分1人だけで相続する=住居は自分1人の単独名義不動産
  • 2.親の持分を兄弟で分け合って相続する=住居は自分と兄弟の共有名義不動産

親の持分をすべて相続できる場合、自分1人の単独名義不動産になるため、住居そのものを自分1人で自由に売却可能です。

ただし、親の持分を兄弟で分けて相続する場合、他共有者の合意がないと住居全体を丸ごと売却することはできません。

そうした場合でも共有名義不動産全体ではなく、自分の持分だけであれば自由に売却できます。

ただし、一般的な不動産会社では共有持分を取り扱いしていない業者も多いため、共有持分専門の買取業者に依頼するとよいでしょう。

親子リレーローンを組んだ後でも返済負担は抑えられる

この記事では、贈与税を避けつつ親子リレーローンを組む方法を解説しました。

親子リレーローンを組むときの持分割合は出資額と比例させましょう。

また、持分割合を変更すれば、毎年の住宅ローン控除を多く受けられる可能性があります。

もし債務者が亡くなった場合でも、団体信用生命保険に加入しておけば、返済義務が免除されます。

その後の生活を楽にするためにも、親子リレーローンをくむときは住宅ローン控除や団体信用生命保険を利用するとよいでしょう。

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