住宅ローン完済後なら離婚による「家の名義変更」は可能!離婚時に完済できていない場合も解説

離婚 住宅ローン 完済後 名義変更

離婚時に、財産分与で家の名義を変更する夫婦は少なくありません。

住宅ローンを完済していれば、離婚に合わせて家の名義変更は可能です。

しかし、住宅ローンがまだ残っている場合、金融機関が家の名義変更を承諾しない可能性が高いでしょう。

住宅ローンがまだ残っているのであれば、家をもらうほうが住宅ローンを借り換えるか、離婚後に住宅ローンを完済するまでまってから名義変更する必要があります。

しかし、住宅ローンの借り換えや完済まで名義変更をまつ方法にはリスクがあります。スムーズに離婚手続きを終わらせるためには、家を維持するより売却して現金化したほうが財産分与がやりやすくなるのでおすすめです。

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この記事のポイント!
  • 住宅ローンを完済していれば離婚時に家の名義変更できる。
  • 住宅ローンを完済していない場合、財産分与で「住宅ローン完済後の名義変更」を取り決める。
  • 離婚時の財産分与で「住宅ローン完済後の名義変更」を取り決めなかった場合、通常の売買や贈与で名義変更する。
  • 財産分与で「住宅ローン完済後の名義変更」を取り決める場合、3つのリスクを考慮しながら話し合おう。
目次
  1. 「住宅ローンが完済されている家」なら離婚時に名義変更できる
  2. 離婚時に住宅ローンが完済されてない家の名義変更
  3. 離婚後に住宅ローンの完済を待って名義変更する場合のリスク
  4. 離婚による家の名義変更は離婚時の話し合いと取り決めの書面化が重要

「住宅ローンが完済されている家」なら離婚時に名義変更できる

住宅ローンがすでに完済されている場合、夫婦双方が同意すれば離婚時の名義変更は可能です。

住宅ローンが残っている場合は家に抵当権が設定されており、住宅ローンを組んだ金融機関の承諾が必要になります。

しかし、住宅ローンを完済していれば抵当権を外すことができます。

抵当権は自動で外れることはないので、自分で抵当権抹消登記を申請する必要があります。

住宅ローン完済後、金融機関から手続きに必要な書類が送られてくるので、法務局で抵当権抹消登記をおこないましょう。

参照:法務局「不動産登記申請手続」

家の名義変更は所有権移転登記が必要

離婚に限らず、家や土地など不動産の名義を変更するには法務局で所有権が移転したことを登記する必要があります。

なぜなら、不動産の権利は法務局で登記されて、はじめて公的に認められるからです。当事者間で名義変更の同意があっても、登記をしないと公的機関は認めてくれません。

将来的に家を売却するときや、家の権利を巡る裁判が起こっても、登記がなくては名義変更したと証明できなくなってしまいます。

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離婚協議で財産分与について取り決めよう

もっとも重要なのは、離婚前の話し合いで家の名義変更について取り決めをすることです。

家だけではなく、貯金や車など、あらゆる財産を夫婦でどのように分けるか決めなければいけません。

なぜなら、離婚時に夫婦で財産をわける財産分与において、婚姻中に築いた財産はすべて折半するという原則があるからです。

ただし、折半はあくまで原則であり、離婚協議でお互いが納得すれば実際の分け方は自由です。

そのため、離婚協議でお互いが納得いくまで、しっかりと話し合うことが大切といえます。

離婚協議で合意した内容は、離婚協議書を作成しておきましょう。合意した証拠となり、離婚による所有権移転登記の手続きの際は必要になります。

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離婚が成立してから所有権移転登記をしよう

法務局での所有権移転登記は、かならず離婚が成立してから手続きをしましょう。

なぜなら、離婚の成立前では財産分与とならず、夫婦間の贈与とみなされてしまうためです。贈与税や不動産取得税といった税金が課されないよう、離婚成立日以降に登記申請をしましょう。

所有権移転登記は、名義をもらう方とゆずる方の共同申請でおこないます。つまり、離婚後に元夫婦がそろって法務局にいく必要があるため、いつ申請しにいくかも事前に話し合っておきましょう。

もしくは、司法書士に登記申請を委任すれば、名義変更の手続きを代行してもらえます。

司法書士に委任すれば、離婚後に元配偶者と顔を合わせることなく、面倒な書類の準備もすべて代わりにやってもらえるため、検討してみてはいかがでしょうか?

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離婚の成立日はいつになる?

離婚の成立日は、どのような形で離婚したかによって変わります。

離婚の形式 離婚成立までの経緯 離婚成立日
協議離婚 話し合いによる離婚 役所が離婚届を受理した日(休日に離婚届を提出すると受理は次の開庁日以降)
調停離婚 裁判所の調停による離婚 調停が成立した日
審判離婚 裁判所の審判による離婚 審判が成立した日(審判の結果が告知され2週間の異議申し立て期間が経過した日)
裁判離婚 裁判所の裁判による離婚 判決が確定した日(判決が出てから2週間の控訴期間が経過した日)

調停離婚・審判離婚・裁判離婚は、それぞれの結果が確定した後に離婚届を提出します。

つまり、協議離婚は「離婚届の提出後に離婚が成立」ですが、それ以外の離婚は「離婚成立後に離婚届を提出」という順序になるので、微妙な違いがあることに注意しましょう。

離婚による所有権移転登記で必要な書類

離婚による所有権移転登記で必要な書類は、以下のとおりです。

・名義をもらう方

  • 住民票
  • 認印

・名義をゆずる方

  • 登記識別情報もしくは登記済証
  • 印鑑証明書 (発行後3ヶ月以内のもの)
  • 固定資産評価証明書

上記のリスト以外に、離婚日の記載された戸籍謄本(もらう方・ゆずる方のどちらのものでも可)や、離婚を証明する調停調書正本や判決正本が必要になる場合があります。

所有権移転登記の費用【書類費用と税金】

離婚による所有権移転登記では、各書類の発行手数料と登録免許税がかかります。

住民票や印鑑証明書、固定資産評価証明書は、各役所で発行してもらえます。費用はどれも数百円程度です。

登録免許税は登記申請時に法務局で支払う税金で、所有権移転登記の場合は不動産の固定資産税評価額の2%となります。

参照:国税庁「登録免許税の税額表」

所有権移転登記の費用【司法書士報酬】

司法書士に登記申請を委任した場合、報酬の相場は5万円程度です。離婚協議書や財産分与契約書を別途料金で作成する場合もあります。

書類費用や税金、出張費など、実費と合わせて請求されるでしょう。

司法書士事務所ごとに独自の料金体系があるので、どれくらいの費用でどんな作業をしてもらえるのか、委任前にしっかりと確認しておきましょう。

離婚時に住宅ローンが完済されてない家の名義変更

離婚時に住宅ローンが完済されていれば、財産分与にともなって所有権移転登記をすれば家の名義を変更できます。

しかし、住宅ローンが残っている場合は簡単に名義変更をできません。

なぜなら、住宅ローンの名義人と住宅の名義人は、同じ人物でないといけないからです。

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住宅ローンを組んだ金融機関に無断で家の名義変更をした場合、規約違反として残債の一括返済を請求されてしまいます。

そのため、離婚して数年待ち、住宅ローンを完済してから家の名義変更をする夫婦も多くいます。

それとは別に、離婚時に話し合いができず家の財産分与ができなかった夫婦もいるでしょう。

つまり、住宅ローンの完済後に名義を変更する状況として、2種類のパターンが想定されます。

  1. 離婚時に財産分与で「住宅ローン完済後の名義変更」を取り決める場合
  2. 離婚時に財産分与をしなかったor住宅ローン完済後の名義変更を取り決めなかった場合

次の項目から、パターンごとにやるべきことを詳しく見ていきましょう。

【状況1】離婚時に財産分与で「住宅ローン完済後の名義変更」を取り決める場合

離婚協議で「住宅ローン完済後の名義変更」を取り決めるパターンは珍しくありません。

住宅ローンの完済後であれば、ローンを組んだ金融機関との関係性はなくなり、自由に名義変更が可能です。

問題は、名義をゆずる方である元配偶者が、離婚して何年も経ってから本当に名義変更をしてくれるのかという点です。

ほんの1~2年で、人の心は簡単に変わります。また、元配偶者の経済状況が再婚や転職によってが変われば、家の名義を譲りたくなくなるかもしれません。

将来の名義変更を確実に実行してもらうために、その取り決めを証明できる離婚協議書や公正証書を作成したり、仮登記による強制力をもたせたりする工夫が必要です。

離婚協議書や公正証書を作成して取り決めを明確にしておこう

離婚協議書はその名のとおり、離婚協議で合意した内容を書面化したものです。書式に法律的な決まりはありませんが、下記の内容を記載します。

  • 子供の親権、養育費、面会について
  • 慰謝料について
  • 財産分与について
  • 年金分割について

一方、公正証書は離婚協議書の内容を公的に証明するものです。公正証書の内容に反した際は、強制執行がおこなわれます。

例えば、住宅ローン完済後に名義変更する約束が実行されない場合、公正証書があれば強制的に名義変更が可能となります。

公正証書は各地の公証役場で申請しましょう。各公証役場の所在地は、日本公証人連合会のウェブサイトを参照してください。

参照:日本公証人連合会 公証役場一覧 

名義変更をより確かなものにしたいなら「条件付所有権移転の仮登記」をしよう

住宅ローン完済後の名義変更をより確実なものにするなら、条件付所有権移転の仮登記もおすすめです。

「住宅ローン完済後」という条件をつけて、所有権移転登記を仮に済ませておくという方法です。

条件を満たせば、仮登記は優先して本登記されます。そのため、条件を満たすまでに名義をゆずる方が心変わりしても、確実に所有権を移転できます。

例えば、離婚時に「住宅ローン完済後に家の所有権を移転する」という仮登記をしておけば、住宅ローンの完済前に第三者が家を買い取っても仮登記の内容が優先されます。

ただし、登記は順番の早いものから優先されます。住宅ローンの抵当権など、離婚時の仮登記より前に存在する登記には対抗できないので注意しましょう。

【状況2】離婚時に財産分与をしなかったor住宅ローン完済後の名義変更を取り決めなかった場合

離婚時に話し合いをせず、財産分与をしなかったケースや、財産分与のなかに「住宅ローン完済後の家の名義変更」を盛り込まなかったケースは珍しくありません。

財産分与をまったくしていなくても、離婚後2年以内であれば財産分与を請求できます。

しかし、財産分与はしたけれど家の名義変更について取り決めなかった場合は、通常の贈与or売買と同じ扱いになります。

どちらにしても、離婚した配偶者とあらためて協議や交渉する必要があるため、基本的には離婚時に財産分与の話し合いを徹底しておこなうべきといえるでしょう。

離婚時の取り決めがなければ家の名義変更は通常の売買や贈与と同じ

離婚後の夫婦は、法律上は赤の他人です。そのため、離婚時の財産分与による取り決めがない状態で家の名義変更をするなら、通常の売買や贈与と考えましょう。

贈与の場合は、もらう方に贈与税が課されます。

売買の場合は、売主側に譲渡所得税がかかります。また、市場価格より著しく低い価格で売買した場合、買主側に贈与税が発生するので注意しましょう。

下記の記事は共有持分の譲渡に関するものですが、贈与税や譲渡所得税について詳しく解説しているので、よろしければ参考にしてみてください。

共有持分 譲渡 【共有持分の譲渡の仕方】やり方と方法別の税金制度についても解説!  

暴力などで相手に強制された財産分与は無効・変更を申し立てよう

一度合意した財産分与の内容は、原則として取り消しや変更はできません。

ただし、暴力などで不合理・不平等な財産分与を強制された場合は、例外として無効となり、内容の変更が可能です。

財産分与の合意が自分の本意ではなく、不利な内容である場合は、早期に弁護士へと相談しましょう。

離婚時に財産分与をしていない場合は離婚成立から2年以内に請求しよう

離婚時に財産分与についてまったく話し合っていない場合、離婚が成立して日から2年以内であれば、財産分与を請求する権利が夫婦お互いにあります。

民法第768条2項
~財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から二年を経過したときは、この限りでない。

引用:e-Govポータル「民法第768条2項」

ただし、離婚から時間が経つほど、相手の経済状況は大きく変わっている可能性があります。家についても、住宅ローンの完済を待たずに売却しているかもしれません。

離婚にともなって家が欲しいのであれば、なるべく早く財産分与を請求すべきです。相手が話し合いに応じない場合は、裁判所に申し立てて調停や審判、裁判といった手続きを踏みましょう。

離婚後の財産分与請求で、請求方法や裁判所への申し立て方に不安があるときは、弁護士への相談もおすすめします。

離婚後に住宅ローンの完済を待って名義変更する場合のリスク

住宅ローンの完済を待って家の名義変更をする場合、離婚協議書や公正証書、仮登記などで取り決めの強制力を上げても、ある程度のリスクが残ってしまいます。

とくに、以下の3つは代表的なリスクといえるでしょう。

  1. 住宅ローンを完済する間に家の価値は下がっていく
  2. 住宅ローンの返済を滞納され家が差し押さえになる
  3. 第三者へ家を売却されるかもしれない

これらのリスクを考慮すると、住宅ローン完済後の家の名義変更にこだわるより、離婚時の財産分与で現金化して分けた方がよいと思えるかもしれません。

これから財産分与をする夫婦は、これらのリスクをしっかりと理解してから話し合うべきでしょう。

それぞれのリスクについて詳しく解説するので、ぜひ参考にして、離婚後の生活にとってプラスとなる選択をしてください。

【リスク1】住宅ローンを完済する間に家の価値は下がっていく

家の価値は年月とともに下がっていきます。そのため、住宅ローンが払い終わるころには離婚時より市場価格が下がっているかもしれません。

家の経年劣化はどうしても避けられないもので、外壁のひび割れや水回りの老朽化など、古くなればなるほど建物は痛みやすく、修理するお金も高くなります。

住宅ローンを払い終わるころに家をもらっても、その後は維持費や修繕費に悩まされてしまうでしょう。価値の高いうちに売却して、離婚後の養育費や生活資金に充てることも検討してみましょう。

【リスク2】住宅ローンの返済を滞納され家が差し押さえになる

住宅ローンの名義人が返済を滞納すれば、抵当権が実行され、家は差し押さえられます。差し押さえにあった家は、最終的には競売にかけられ、現在の住人は退去しなければなりません。

例えば、離婚による家の財産分与として、夫名義の家に妻が住み続け、住宅ローンは夫が返済するというものがあります。

この場合、夫の収入が下がったり、再婚などで生活環境が変わったりすると、返済をしなくなるケースが少なくありません。

返済の滞納によって抵当権をもつ金融機関が差し押さえをおこなうと、妻側は止めることができません。

返済の滞納を防ぐためには、公正証書に住宅ローン返済の義務を盛り込むか、離婚時に家を売却して財産分与を精算してしまうとよいでしょう。

【リスク3】第三者へ家を売却されるかもしれない

家の処遇に関する主導権はあくまで名義人にあります。そのため、離婚による名義変更の前に、名義人である元配偶者が第三者に家を売却するリスクが常にあるといえるでしょう。

そうなると、公正証書や仮登記で離婚による名義変更に強制力をもたせていても、家を購入した第三者とのトラブルは避けられません。

場合によっては訴訟問題に発展し、その対応に費用や時間を割かなければいけなくなります。

仕事や日常生活にも支障が出ますし、離婚後も元配偶者が原因で頭を悩ませることになってしまいます。

離婚時に家を売却して現金で精算するのは、将来に余計なトラブルを起こさないための有効な方法といえるでしょう。

共有持分を第三者へ売却されると「共有物分割請求」を起こされるかもしれない

家が夫婦の共有名義の場合、元配偶者が共有持分を第三者に売却してしまうと、共有状態を解消してほしいと請求されるかもしれません。

共有者は、他の共有者に対して共有状態の解消を求める権利があります。

そして、この権利は後から共有者となった第三者にも適用されます。請求は拒否できず、当事者間の話し合いでまとまらないときは訴訟を起こされるかもしれません。

裁判でも合意がとれない場合、最終的には競売にかけられ、市場価格より安価な落札代金を第三者と分け合うことになります。

共有物分割請求については、下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

共有物分割請求とは 共有物分割請求とは?共有物の分割方法や訴訟の手順・費用を詳しく解説

住宅ローン完済まで待つリスクを避けて家を売却する方法

家の財産分与にあたって、本当は名義変更ではなく売却をしたいという人も多いのではないでしょうか?

もしも「住宅ローン完済後に家の名義変更をする」というプランが、住宅ローンの残債が多くて金融機関の承諾が取れないからといった理由であれば、任意売却という方法をおすすめします。

任意売却は、住宅ローンの残債が家の売却益を上回る場合でも売却可能な手続きです。複雑な手順が必要なので、任意売却に詳しい不動産業者に依頼する必要があります。

任意売却とは 任意売却なら競売を回避できる!メリット&デメリットや具体的な手順と費用を解説!

また、共有名義の家や、共有者それぞれがもつ共有持分を売却したい場合は、共有持分専門の買取業者に依頼するのがおすすめです。

共有持分専門の買取業者なら、最短数日で現金化が可能です。また、複雑な権利関係の調整が得意なため、任意売却のようなむずかしい手続きの知識が豊富な業者が多い傾向にあります。

離婚による財産分与で家の売却を検討する際は、一度相談してみるとよいでしょう。

共有持分 買取業者 【共有持分の買取業者おすすめ28選!】共有名義不動産が高額買取業者の特徴と悪質業者の見極めポイント!

離婚による家の名義変更は離婚時の話し合いと取り決めの書面化が重要

離婚による家の名義変更は、住宅ローンの完済前か完済後かで手続きが変わります。

離婚時に完済しているのであれば、夫婦の話し合いで合意した後、すぐに名義変更が可能です。

しかし、離婚してから住宅ローンの完済まで名義変更を待つのであれば、離婚協議書や公正証書の作成が重要になります。

離婚時の取り決めは、口約束だけではいつ心変わりするかわかりません。書面で取り決めを明確にして、トラブルになるのを少しでも防ぎましょう。

また、離婚後に元配偶者とトラブルになる可能性を完全になくすためには、離婚時に家を売却して財産分与を終わらせておくほうがおすすめです。

いずれにしても、離婚後の生活が前向きなものとなるよう、離婚前に納得のいくまで話し合いましょう。

離婚と家の名義変更についてよくある質問

離婚時、家の名義変更をしたいのですが、どんな手順でおこなえばよいですか?

離婚成立後、法務局で所有権移転登記を申請します。離婚成立前に申請すると贈与とみなされ、贈与税が課されるので注意しましょう。

住宅ローンが残っている場合、家の名義変更はできますか?

住宅ローンと家は同じ名義人である必要があります。そのため、財産分与で「離婚後、住宅ローンを完済してから名義変更する」と取り決めるか、ローンの借り換えで住宅ローンの名義も変更する必要があるでしょう。

離婚後に住宅ローンを完済してから名義変更する場合、約束を破られないか不安です。

離婚協議書や公正証書を作成し、約束を証明できるようにしておきましょう。他には、住宅ローン完済後という条件をつけて登記を仮に済ませておく「条件付所有権移転の仮登記」という方法もあります。

離婚後に住宅ローンの完済を待って名義変更する場合、どんなリスクがありますか?

住宅ローンを完済する間に家の価値が下がっていくリスクや、住宅ローンの返済が滞って家を差し押さえられるリスクがあります。また、名義変更前に第三者へ家を売却される恐れもあるでしょう。

自宅の名義変更に必要な費用はいくらくらいですか?

不動産の資産価値によって、大きく異なります。書類の取り寄せ費用として数百~数千円と、登録免許税として「不動産の評価額×2%」がかかります。また、司法書士に書類準備や手続きを依頼した場合は報酬として数万円がかかります。

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